エラム語(読み)えらむご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エラム語」の意味・わかりやすい解説

エラム語
えらむご

イラン南西部のスーサを中心とした古代エラム地方の言語。最古相は紀元前3000年ごろの象形文字による原エラム語であるが、これは未解読である。その後、楔形(くさびがた)文字が導入され、前13世紀~前7世紀のまとまった資料がある。続いてエラムはアケメネス朝ペルシアの版図に入ったが、古代ペルシア語と並んで公的碑文に用いられた。この時期の姿がもっともよくわかっているが、十分に構造が解明されたわけではなく、系統関係も依然不明である。

[柘植洋一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エラム語」の意味・わかりやすい解説

エラム語
エラムご
Elamite language

チグリス川以東,ペルシア湾北岸地方に住んでいた民族の言語。死語であるが,楔形文字の碑文が残っていて,部分的に解読されている。前 16~8世紀の碑文のものを古エラム語,前6~4世紀の碑文のものを新エラム語と呼ぶ。系統未詳。

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