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インラック いんらっく

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知恵蔵2015の解説

インラック

タイの政治家・実業家。2011年8月、第36代首相に女性として初めて就任し、14年5月まで在職した。繊維業で富を築いた華僑系の一族であるシナワット家の出身で、兄は元首相のタクシン・シナワット。これまで多くの実業家・政治家・官僚を輩出していたシナワット家は、更に80年代、タクシンの通信・携帯電話販売事業への進出によって、タイ最大の巨大財閥に成長した。
1967年、インラックはシナワット家9人兄弟の末っ子として、タイ東北部チェンマイ県に生まれた。チェンマイ大学(政治学)を卒業後、米ケンタッキー州立大学に留学し、行政学の修士号を取得している。97年にシナワット・ダイレクトリーズに入社。その後アドバンスト・インフォ・サービス、SCアセットなど、兄タクシンが起こした一族企業(通信・不動産関連)の経営を率いた。
2011年、政治経験がないまま、タクシン派「タイ貢献党」の党首に推され、7月の総選挙に出馬。美しい容貌と庶民的な親しみやすさで、「インラック旋風」を巻き起こし、劣勢だった「タイ貢献党」を勝利に導いて、翌8月首相に就任した。インラック政権の支持基盤は、タクシンと同じく農村や貧困層である。そのため、コメ買い取り制の導入や最低賃金の引き上げなど、農村復興や雇用対策に取り組んだ。麻薬・犯罪対策にも力を入れ、庶民の高い支持を得たものの、バラマキ政策が大半だったため、マスコミからは「タクシンの操り人形」と批判された。また、就任前後から年末まで続いた「タイ大洪水」の対策や、南部で激化しているイスラム過激派テロ対策も後手に回り、反タクシン派を勢い付かせた。
13年11月、インラック政権がタクシンを含む政治犯の復権を認める「恩赦法案」を提出すると、反タクシン派の更なる反発を招いた。14年2月に実施された総選挙も反政府デモの妨害によって、事実上「無効」になっている。政治混乱が長期化する中、インラックは高官人事の職権乱用の罪を問われ、5月に憲法裁判所から違憲判決を下された。同日これを受け入れ、閣僚9人と共に失職した。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2014年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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百科事典マイペディアの解説

インラック

タイの政治家。タイの華人・客家(はっか)系の名家に生まれる。兄は,元首相のタクシン・チナワット。チェンマイ大学政治学部卒業。米国ケンタッキー州立大学で行政学修士。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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