ウィランドラ湖群地域(読み)ウィランドラこぐんちいき(英語表記)Willandra Lakes Region

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウィランドラ湖群地域
ウィランドラこぐんちいき
Willandra Lakes Region

オーストラリア南東部,ニューサウスウェールズ州西部の乾燥湖地帯。面積 2400km2。新生代第四紀には湖であったが,最終氷河期が終った1万 5000年前から大陸の温暖化が進むに従って乾燥湖となった。 1968年,旧マンゴ湖の湖岸で,焼かれた跡のある貝殻や石,骨を使った道具,さらにオーストラリアで初めてホモ・サピエンス・サピエンス (新人) の火葬された骨が発見された。この人骨は2万 6000年前のものと推定されたが,その後3万 5000年前とみられる人骨も見つかり,人類史の研究に一石を投じた。また,加熱によって溶かされた土壌の一部から,2500年間に地球の磁場が移動した跡も発見された。一帯ではカンガルーコウモリなど 20種の哺乳類のほかトカゲなどの爬虫類エミューが生息する。 1981年世界遺産の文化および自然の複合遺産として登録。

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デジタル大辞泉の解説

ウィランドラ‐こぐんちいき〔‐コグンチヰキ〕【ウィランドラ湖群地域】

Willandra Lake》オーストラリア、ニューサウスウェールズ州南西部にある乾湖群。かつて湖だったウィランドラ湖とその周辺の乾湖からは、4万年から3万年前頃のものとされる人類の骨や、アボリジニーによる石器・貝塚、人類最古の火葬場などが見つかっている。一部はムンゴ国立公園に指定。1981年に「ウィランドラ湖群地域」の名称で世界遺産(複合遺産)に登録された。

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世界遺産詳解の解説

ウィランドラこぐんちいき【ウィランドラ湖群地域】

1981年に登録されたオーストラリアの世界遺産。シドニー南西のニュー・サウス・ウェールズ州に位置する。ウィランドラ湖など多くの湖が点在する地域と、約1万5000年前の干上がった湖が乾燥湖となった砂漠地帯からなる複合遺産で、面積は約37万ha。砂漠は、乾燥した湖底の砂と粘土層が浸食されてできた三日月形の砂丘が、33kmにわたって続いている。ここは1980年に、3万5000~4万年前のものと推定されるホモ・サピエンス・サピエンスの骨が発見されたところであり、また、先住民アボリジニの生活の痕跡を示す約4万年前の石器や貝塚、墓なども多数発掘されており、さらに、人類最古の火葬場が発見されたことでも知られるなど、世界で最も重要な考古遺跡の一つとなっている。このような、人類学的、自然科学的価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はWillandra Lakes Region

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