ウィリス動脈輪閉塞症(読み)ウィリスドウミャクリンヘイソクショウ(英語表記)occlusive disease in circle Willis

デジタル大辞泉 「ウィリス動脈輪閉塞症」の意味・読み・例文・類語

ウィリスどうみゃくりん‐へいそくしょう〔‐ヘイソクシヤウ〕【ウィリス動脈輪閉塞症】

occlusive in circle of Willis厚生労働省指定の難病の一。脳底部のウィリス動脈輪狭窄きょうさく閉塞がみられ、脳虚血症状を示し、体各部の麻痺まひ知覚異常・不随意運動頭痛痙攣けいれんなどを起こす。小児若年者に多い。脳血管造影で脳底部にもやもやとした異常血管網がみられることから、別名もやもや病」とも。英国の医師T.Willis の名にちなむ。脳底部異常血管網症

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィリス動脈輪閉塞症」の意味・わかりやすい解説

ウィリス動脈輪閉塞症
ウィリスどうみゃくりんへいそくしょう
occlusive disease in circle Willis

脳内を循環する内頸動脈が,血管を分岐する直前狭窄したり閉塞する疾患。その狭窄部,閉塞部を補うために細いバイパス血管網が形成され,その血管網が脳血管撮影の際にもやもやと見えることから,モヤモヤ病 Moyamoya diseaseとも呼ばれる。おもに日本人にみられる原因不明の疾患で,1対 1.8の割合で女性にやや多い。5歳前後に発病する若年型と,30~40歳代を中心に発病する成年型に分けられ,若年型では突発性の意識障害や脱力けいれんなどが起り,成年型では脳卒中発作の形で発症することが多い。発作を繰返すうちに,麻痺や知能障害が進行していく例もある。根本的治療法はないが,脳血流改善薬などが投与されるほか,若年型の場合にはバイパス血管の形成手術が効果をみせることもある。 1982年に厚生省から難病の指定を受けた。

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知恵蔵 「ウィリス動脈輪閉塞症」の解説

ウィリス動脈輪閉塞症

モヤモヤ病」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のウィリス動脈輪閉塞症の言及

【もやもや病】より

…頭蓋内の内頸動脈終末部から前・中大脳動脈起始部(ウィリス動脈輪)が両側性に閉塞性病変を示し,代償的な側副血行路として脳底部に異常血管網が発達した病気。脳血管撮影上の所見で異常血管網の形態がもやもやとしているところからこの名があるが,ウィリス動脈輪閉塞症occlusive disease in circle of Willisとも呼ばれている。異常血管網の成因には先天性説と後天性説があるが,いまだ不明である。…

※「ウィリス動脈輪閉塞症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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