改訂新版 世界大百科事典 「ウィーピングラブグラス」の意味・わかりやすい解説
ウィーピングラブグラス
weeping lovegrass
Eragrostis curvula Nees
和名をシナダレスズメガヤという。南アフリカ原産のイネ科の多年草で,昭和20年代に日本へ導入された。葉は細長く,幅2mmほどで長さは50cmほどになる。多数の茎が密に集まって大きな株をつくる。夏に茎の先に20~30cmくらいのやや疎に枝分れする穂がつく。高さは1m近くになるものもあり,葉や穂など株全体がしなやかに垂れ下がり,風に揺れて波うつ。草姿が美しいだけでなく,根の張りが強いので,道路や土手の法面(のりめん)や造成地などに植えて斜面の土砂流出を防止する目的に利用される。植付けには種子を斜面に吹きつける。最近ではかなり野生化し,道路わきや荒地などに侵入しているのがみられる。冬場,枯れ上がった葉は燃えやすく,高速道路などでは燃えにくくする薬を散布している。葉は家畜の飼料としても利用される。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報