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ウメノキゴケ

百科事典マイペディアの解説

ウメノキゴケ

海岸の松林クロマツや,平地ウメサクラスギなどの樹皮上に着生する代表的な地衣類。東北地方〜沖縄,さらに太平洋を囲む暖地に分布する。体は扁平,葉状で,楕円形または不整形に広がる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ウメノキゴケ【Parmelia tinctorum Nyl.】

田畑の石垣や樹皮上に生えるウメノキゴケ科の大型葉状地衣(イラスト)。大気汚染指標植物になる。地衣体灰緑色で,直径10~30cmの類円形に広がり,短い仮根で基物にゆるく付着する。裂片は幅1~1.5cm,先端は丸みがあり,シリアはない。表面に微小な棍棒状の裂芽を密生する。裏面は黒褐色,周辺部は淡褐色で広く裸出し,仮根はない。共生藻緑藻。日本では東北地方以南~沖縄までに分布し,さらに北半球の太平洋周辺の暖地に広く分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウメノキゴケ
うめのきごけ / 梅樹苔
[学]Parmelia tinc torum Despr.

地衣類ウメノキゴケ科の代表的な1種。石垣や木の幹などに群生する葉状地衣。葉状体はほぼ円形に広がり、直径10~20センチメートルになる。表面は乾くと灰緑色をしているが、湿るとやや緑色が濃くなる。古くなると葉状体の中央部の表面に細かい粉状の針芽を密生してざらつくが、他の部分は滑らかである。葉状体の縁は浅く切れ込み、やや波状になる。子器はまれにでき、杯(はい)状で、古くなると盤状になり、中は褐色、熟すると縁が不規則に割れる。全世界の暖地に広く分布しているが、日本では低地、とくに海岸近くに多くみられる。地方によっては正月の松飾りやいけ花の材料として利用する。
 ウメノキゴケ科ウメノキゴケ属の地衣を総称してウメノキゴケということもある。すべて葉状地衣で、葉状体は楕円(だえん)状ないし円状に広がるが、葉状体が細く分かれるものもある。子器は円盤状、盤の底は褐色か黒褐色、胞子は無色で1室からなる。この属には1000種以上の種類が含まれていて、ほとんど全世界に分布する。日本には80種ほどが知られていて、ウメノキゴケのほかにカラクサゴケP. squarrosa、センシゴケMenegazzia terebrataや、ツノマタゴケEvernia prunastri、オリーブゴケP. olivacea、ウチキウメノキゴケP. homogenes、マツゲゴケP. clavuliferaなどがある。ウメノキゴケ属の種類のうちで、低地に好んで生育するウメノキゴケ、マツゲゴケなどは、その生育量や分布の状態から、環境指標として利用されることがある。すなわち、都市およびその周辺部におけるウメノキゴケ属の種の分布状態を調べ、各種類の生育地点を図示することによって、ウメノキゴケ属の種が欠けている部分は、大気汚染が進んでいる地域とされている。この方法による環境測定はカナダ、イギリスなどでは早くから行われていたが、日本でも最近になって、この方法による測定の試みがなされるようになった。[佐藤正己]

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