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指標植物 しひょうしょくぶつindicator plant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

指標植物
しひょうしょくぶつ
indicator plant

指示植物ともいう。植物生態学において,ある環境またはいくつかの環境を総合したものを表示するのに使われる植物あるいは植物群落。気候指標植物と土壌指標植物とに分けることもある。土壌指標植物としては,たとえばセリ科のハナウドが窒素分の多い土壌の,シダ植物ヘビノネゴザ重金属汚染地の指標植物とされる。ただし環境と植物との関係は複雑で,例外的なこともあるので適用には限界がある。また指標植物は必ずしも優占種ではない。

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デジタル大辞泉の解説

しひょう‐しょくぶつ〔シヘウ‐〕【指標植物】

生育地の特定の環境条件を知る指標となる植物。土壌中に重金属の多い所に密生するシダ植物のヘビノネゴザなど。

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百科事典マイペディアの解説

指標植物【しひょうしょくぶつ】

環境条件を示すのに有効な植物をいう。生育地の環境と密接な関係をもつために,指標植物によってその地域の特性が推定できる。日本南部の照葉樹林帯ではツバキが,この北側に発達する落葉広葉樹林帯ではブナが,また高層湿原ではミズゴケが指標植物とされる。
→関連項目ファイトメーター

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

指標植物
しひょうしょくぶつ

ある地域の局部的な環境条件の評価をある種類の植物によって行うとき、その植物を指標植物、あるいは指示植物という。個々の植物の種類以外に、植物群落がその対象とされることもある。植物は環境のなかで生活し、種族維持を行うわけであるが、植物と環境とは互いに影響を及ぼし合う一種の系とみなせる。したがって、植物が環境諸条件とどのような系的関係(たとえば植物の存否や形態反応)を保っているかを調べることは、環境を知るうえで有効といえる。具体的には、植物相を利用して土壌の肥沃(ひよく)度を識別したり、林床植生によって林地の良否を知るなどがあげられる。地域の合理的な土地利用計画を進めるために、群落調査に基づいた植生図をつくるといったことも行われる。都市化に伴う環境悪化の指標としてコケのほか、スギやアカマツも用いられる。コケでは種類相の変化、スギ、アカマツでは樹勢の変化が研究対象となる。
 近年は環境汚染や自然破壊の問題と関連して、指標生物の研究はますます盛んになってきている。河川の生物相によって水質汚濁を判定する方法はその一例である。[延原 肇]

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世界大百科事典内の指標植物の言及

【指標生物】より

…生物の種によって,それが生育できる環境は決まっているが,いくつかの種では環境との相関がはっきりしていて,その種の生育いかんでその場所の環境を推定できることがある。そのような生物を指標生物というが,移動量の大きい動物よりも定着生活をする植物のほうが典型的に環境を指標する例が多いことから,指標植物indicator plantがとり上げられることが多い。このように特定の種が環境を指標する場合,その生物を指標種と限定することがあるが,特定の種だけでなく,群落などが環境を指標することがあり,広義にはそれらを含めて指標生物という。…

※「指標植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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