ウルム氷期(読み)ウルムヒョウキ

最新 地学事典 「ウルム氷期」の解説

ウルムひょうき
ウルム氷期

Würm glacial Stage

A.Penck(1882)がアルプス北部前地のウルム湖およびウルム川付近で設定した第四紀の最終氷期。この氷期の氷堆石と,それに連続する融氷流水堆積物は,低位段丘群を構成し,最も顕著な地形を残している。B.Eberl(1928)は,この氷堆石堤群の末端より内側のものの形成期をウルムⅠ(WⅠ)と呼び,その後の氷河最拡大期をウルムⅡ(WⅡ)とした。WⅡの氷河はWⅠの氷堆石堤をのり越えて前進しているので,WⅠ氷堆石堤は形が崩れ,表面が摩耗している。WⅠとWⅡの規模には少数ながら逆の例もある。A.PenckはWⅠとWⅡの間の亜間氷期を,初めラウヘン変動(Laufen Schwankung)と呼び,のちにゲドバイガーあるいはオーリニャック変動と呼んだ。この亜間氷期はネアンデルタール人による寒冷モナスチル文化の直後に当たり,中央ヨーロッパではここで後期旧石器時代と中期旧石器時代を分ける。ウルム氷期の長さは約6万年間で,WⅠが7万~5万年前,WⅡが3万~1万年前とされる。ウルム氷期は古・中・新ウルムあるいは早・中・晩ウルムに三分されることもある。両者は古ウルムと早ウルムが対応し,新ウルムと中ウルムがほぼ対応するとされ,この時期を主ウルム・ウルム極相・ウルム最大期と呼ぶこともある。末端堆石堤はミンデル・リス氷期の内側にあり,氷河の広がりの規模は小さい。酸素同位体ステージでは,4がWⅠに,3がWⅠ・WⅡ間の亜間氷期に,2がWⅡに相当。北欧バイクゼル氷期北米ではウィスコンシン氷期に対比。

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百科事典マイペディア 「ウルム氷期」の意味・わかりやすい解説

ウルム氷期【ウルムひょうき】

第四紀の氷河時代の最後の氷期。第4氷期とも。ほぼ7万年〜1万年前。この間に4亜氷期が認められる。この時期の気温や海面低下量についてはいくつかの見解があるが,気温は6〜10℃,海面は80〜140mほど低かったと推定されている。旧石器時代の後期に相当し,マンモス,ナウマンゾウ,オオツノシカが生活した時代。スカンジナビアではワイクセル氷期,北米ではウィスコンシン氷期という。
→関連項目後氷期日本人氷河性海面変化ムスティエ文化

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルム氷期」の意味・わかりやすい解説

ウルム氷期
ウルムひょうき
Würm glacial stage

ヨーロッパ・アルプスにおける第四紀の最終氷期。約7万~1万年前。さらに3~4分される。北アメリカのウィスコンシン氷期にあたる。氷堆石堤は,ミンデル氷期リス氷期のものより内側にあり,顕著な地形を残している。気温は,中緯度地方で最高8~13℃といわれている。

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