新生代第四紀の最終氷期(ビュルム氷期)が終わった約1万年前から現在までの時代。完新世(沖積世)、現世などと同義語に用いられることもある。最終氷期の末から始まった気候の温暖化に伴い、中緯度まで分布していた氷床や氷河が著しく後退してから以後の時代をさす。この時期の前半は氷河が融(と)けて海水が増したため海面上昇が著しい。気候の温暖化は約6000年前に頂点に達し、この時期には気温が現在より2~3℃ほど高かったことがわかっている。日本列島でもこの最温暖期には、海面が現在より2~3メートル高い位置に達し、各地の谷沿いや平野に内湾が形成された。これが縄文海進(じょうもんかいしん)である。このとき、黒潮は現在の位置より北上し、暖流系の貝類が現在より北にまで分布を広げている。
[松島義章]
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ド・イェール(De Geer, G.)は氷縞(ひょうこう)粘土を特徴づける縞目の層理に夏縞と冬縞を発見したことから,これが1年の周期を表しているという推定にもとづいて氷床の年代測定を行った。ヨルディア海の時代の終りに氷床が南北2カ所に分かれた時期を氷縞粘土の曲線のうちにもとめ,これを年数算出の基準として零年とした。この年を紀元前6839年と推定し,それ以前を「晩氷期」,以後を「後氷期」と呼んだ。ただし,今日では最後の氷河期が終ってから以後の時代をさすのに用いられる。
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…100万年前以降,ドナウ,ギュンツ,ミンデル,リス,ウルムの5回の大きな氷期がおとずれた。(3)後氷期と歴史時代 第四紀のうち,最終氷期以降の,気候が温和になり始めた時代を後氷期と呼ぶ。後氷期の気候は,地球全体に温和になってきたが,やはり小さな寒暖の波があった。…
…沖積世は1823年にバックランドW.Bucklandにより,丘陵・台地に対して河谷ぞいの低地の形成時代に命名されたものである。 自然史の上では,最終氷期のあとの後氷期という時代である。そのはじまりは大陸氷河が消失する時期を基準にしている。…
…ペンクとブリュックナーの研究のあと,ギュンツ氷期に先行するドナウ氷期,ビーバー氷期が加えられ,各氷期はそれぞれ2~3の亜氷期に区分された。 最終(ウルム)氷期の極相(最後の亜氷期)以後の氷床後退期(約1万年から1万数千年前まで)を晩氷期とし,それ以降の現在までを後氷期postglacial ageとして区分している。後氷期はスカンジナビア氷床がスウェーデンのラグンダ湖付近で2分裂した時期などを,そのはじまりの基準にしている。…
※「後氷期」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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