ウロキナーゼ(読み)うろきなーぜ(その他表記)urokinase

デジタル大辞泉 「ウロキナーゼ」の意味・読み・例文・類語

ウロキナーゼ(urokinase)

たんぱく質分解酵素の一。ヒトの尿中に存在血液凝固を阻止したり、凝固した血液を溶解したりする働きがある。

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精選版 日本国語大辞典 「ウロキナーゼ」の意味・読み・例文・類語

ウロキナーゼ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] urokinase ) たんぱく質分解酵素一つ。ヒトの尿中に存在。血液凝固を阻止したり、凝固した血液を溶解したりする働きがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウロキナーゼ」の意味・わかりやすい解説

ウロキナーゼ
うろきなーぜ
urokinase

線維素フィブリン)溶解酵素賦活剤。1947年にヒトの尿中から発見されたタンパク分解酵素で、血漿(けっしょう)中に存在するプラスミノーゲンを活性化してプラスミンの形成を促すところから、各種血栓症、塞栓症(そくせんしょう)の治療のほか、マイトマイシンCなどの制癌(せいがん)剤との併用効果を適応としている。これはプラスミンが血液凝固の際に生じるフィブリンを溶解したり、細胞膜の透過性を亢進(こうしん)する作用を有するので、血栓や塞栓を溶解したり、癌細胞を取り囲むフィブリンを溶解し制癌剤の癌細胞への滲達(しんたつ)性を強めるためである。

 ヒトの尿から抽出精製した製剤のほか、ヒト腎(じん)組織培養により製したものもあり、点滴注射薬としてのみ使用される。普通、1瓶中に6000単位、2万4000単位、6万単位含有のものが用いられる。

[幸保文治]

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化学辞典 第2版 「ウロキナーゼ」の解説

ウロキナーゼ
ウロキナーゼ
urokinase

EC 3.4.21.31.血液中のプラスミノーゲンをプラスミンに変換させる機能を有する酵素で,プラスミノーゲン活性化剤である.ヒトの尿中より単離され,分子量5.5×104 のものと3.1×104 のものとがある.また最近,腎細胞培養液からも得られるようになった.血栓溶解剤として大量生産され,各種血栓症の治療に用いられている.[CAS 9039-53-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ウロキナーゼ」の解説

ウロキナーゼ

 プラスミノーゲンアクチベーターの一つ.セリンプロテアーゼで,プラスミノーゲンに特異的に働いて,その分子中のアルギニン-バリン結合を切断し,プラスミンにする.血栓溶解物質として臨床的にも用いられる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウロキナーゼの言及

【酵素剤】より


[いわゆる消炎酵素剤]
 キモトリプシン,ブロメラインその他の動植物,微生物起源のタンパク質加水分解酵素類や細菌細胞壁のムコペプチドの分解酵素であるリゾチームなどは,これらを内服した場合に種々の炎症症状を改善する作用,副鼻腔や気管支における分泌物,膿汁などの粘度を下げ排出を容易にする作用などが認められるとして,これらの目的で歯科領域,耳鼻咽喉科領域などで使用されているが,理論的裏づけは不明確のまま残されている。
[その他の酵素剤]
 ヒト尿から抽出されるウロキナーゼ(血液凝固機構によって析出凝固したフィブリンすなわち繊維素を溶解する作用をもつ繊溶系の活性化酵素)は,血栓性の疾患に対して血栓の溶解を期待する治療剤として静脈内に注射される。また溶血性連鎖球菌の1種が産生するストレプトキナーゼもまた同様に使用される。…

※「ウロキナーゼ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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