コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

エブリマン エブリマンEveryman

翻訳|Everyman

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エブリマン
Everyman

イギリスの道徳劇。執筆は 1495年頃で,オランダの"Elckerlijc"からの翻訳と推定される。人間をめぐる美徳と悪徳の葛藤をテーマとし,死が訪れたとき,最後の審判の席に立会ってくれるのは善行以外ないという教訓を寓意的に描く。知識,美,友情など擬人化されて登場する人物は,単なる象徴をこえて性格描写としても精彩を放っている。 1901年 W.ポールがロンドンで復活させた。 20年にホーフマンスタールによる翻案『イェーダーマン』 (1911) がザルツブルク祝祭の際,スペクタクル様式で上演されて大きな反響を呼び,以後同祝祭の恒例行事となった。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

エブリマン【Everyman】

イギリス中世〈道徳劇〉の代表的傑作。おそらく15世紀末にオランダで刊行された《人間》を英訳したもので,16世紀初めにイギリスで出版された。〈エブリマン〉とは〈もろもろの人間〉〈あらゆる人間〉の意であるが,この作品では,普遍的な人間存在の代表者としてというよりも,カトリックキリスト教徒の代表者として登場し,作中,一個の寓喩的な人物に転化する。この道徳劇の主題は,一種の〈メメント・モリmemento mori(死をおもえ)〉である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

世界大百科事典内のエブリマンの言及

【道徳劇】より

…フランスではもとは道徳的教訓文学一般がmoralitéとよばれたが,のちにはこれらの道徳・教訓的比喩劇もそうよばれ,ときには他の宗教劇や茶番狂言も同じ名でよばれた。イギリス(系)の《エブリマンEveryman》《忍耐の城The Castle of Perseverance》,フランスの《酒宴の報いLa condamnation de banquet》などがよく知られた作品である。たとえばイギリス系(もともとオランダにあったものといわれる)の《エブリマン》はH.vonホフマンスタールの改作(1911)や,近代の復活上演でも知られているが,その内容は,不意に死神におそわれたエブリマン(人間一般の擬人化)があわてふためき,家族,友情,富などに身代りや援助をたのむが無駄で,最後には聖母マリアの取りなしでやせ細った善業と知恵と信仰にともなわれて死出の旅路につくといったものである。…

【エブリマンズ・ライブラリー】より

…当初はポケット判の小さな判型だったが,50年代から大きな判型になった。扉に中世道徳劇《エブリマン》の台詞,〈私は君とともに行こう〉が掲げられており,この叢書の姿勢を示していると言えよう。発行元はイギリスはデント社,アメリカはダットン社である。…

【道徳劇】より

…フランスではもとは道徳的教訓文学一般がmoralitéとよばれたが,のちにはこれらの道徳・教訓的比喩劇もそうよばれ,ときには他の宗教劇や茶番狂言も同じ名でよばれた。イギリス(系)の《エブリマンEveryman》《忍耐の城The Castle of Perseverance》,フランスの《酒宴の報いLa condamnation de banquet》などがよく知られた作品である。たとえばイギリス系(もともとオランダにあったものといわれる)の《エブリマン》はH.vonホフマンスタールの改作(1911)や,近代の復活上演でも知られているが,その内容は,不意に死神におそわれたエブリマン(人間一般の擬人化)があわてふためき,家族,友情,富などに身代りや援助をたのむが無駄で,最後には聖母マリアの取りなしでやせ細った善業と知恵と信仰にともなわれて死出の旅路につくといったものである。…

※「エブリマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

エブリマンの関連キーワードエブリマンズ・ライブラリーマリーナ レヴィツカジェイ ローチオランダ文学イギリス演劇アレゴリー中世演劇ダーマンポウエル擬人法リース

今日のキーワード

俳句甲子園

1998年から松山市で開かれる全国高等学校俳句選手権大会。高校生が5人1組で句の優劣をディベートで競い合う。チームでの勝敗とは別に、個人の最優秀句も選ぶ。今年は過去最多の41都道府県から121校、15...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android