エリアルール(読み)えりあるーる(その他表記)area rule

デジタル大辞泉 「エリアルール」の意味・読み・例文・類語

エリア‐ルール(area rule)

遷音速域で飛行する飛行機において、胴体と翼の組み合わせが受ける抗力は、同じ断面積分布を示す回転体空気抵抗と等しいという法則。1950年代に米国NACA(現NASAナサ)の工学者リチャード=ウィットカムが発見面積法則断面積法則

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリアルール」の意味・わかりやすい解説

エリア・ルール
えりあるーる
area rule

面積法則ともいう。高速飛行時の飛行機の抵抗を減少させるための方法の一つで、とくに音速付近において効果が大きいとされる。従来は翼と胴体とで別個に高速化の対策を講じていたが、この法則では両者を一体として扱っているのが特徴である。まず飛行機を機軸直角に切断し、その断面積を表す曲線図を描く。次にそれを理想的な流線形の回転体の断面積と比較し、機体断面積をこの曲線に近づける。その結果、主翼と交差する部分の胴体は、主翼断面積分だけ断面積が小さくなるが、機体の抵抗は理想的流線形の抵抗と等しくすることができる。1952年NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)のウィットカムRichard T. Whitcombの発見になるもので、軍用機にはしばしば用いられるが、民間機では実用性の面に問題があり、本格的に採用されたものはない。

[落合一夫]

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百科事典マイペディア 「エリアルール」の意味・わかりやすい解説

エリアルール

断面積法則と訳す。米国のR.ウィットコムが1952年に発見。遷音速時の飛行機の空気抵抗は,機全体を気流と直角に切った断面積の分布と同じ断面積の回転体の空気抵抗と等しくなる。この法則から,翼その他胴体から突き出ている部分を含めて胴体形状を決めるようになり,超音速機設計は飛躍的な進歩をとげた。
→関連項目音の壁抗力

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改訂新版 世界大百科事典 「エリアルール」の意味・わかりやすい解説

エリアルール
area rule

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世界大百科事典(旧版)内のエリアルールの言及

【断面積の法則】より

…エリアルールともいう。飛行機が音速を超えて飛行するときに発生する造波抵抗と機体の形状,とくにその断面積の分布の関係をあきらかにした法則。…

※「エリアルール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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