エルエスコリアル修道院(読み)エルエスコリアルシュウドウイン(英語表記)Monasterio de El Escorial

デジタル大辞泉 「エルエスコリアル修道院」の意味・読み・例文・類語

エルエスコリアル‐しゅうどういん〔‐シウダウヰン〕【エルエスコリアル修道院】

《〈スペインEscorial》スペイン、マドリード郊外にある建造物。1563年にフェリペ2世建設を命じたもので、南北207メートル、東西162メートルの敷地に、王宮聖堂修道院、図書館などが配置されており、聖堂の地下には国王の墓所がある。1984年に「マドリードのエルエスコリアル修道院とその遺跡」として世界遺産(文化遺産)に登録された。エスコリアル。エスコリアル修道院。サン‐ロレンソ‐デル‐エスコリアル僧院。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルエスコリアル修道院」の意味・わかりやすい解説

エルエスコリアル修道院
エルエスコリアルしゅうどういん
Monasterio de El Escorial

スペイン,マドリードの北西約 40kmの町,エルエスコリアルにある王宮と修道院が結合した建築複合体。対仏戦争で修道院を焼き払ったフェリペ2世が,その贖罪として建てた。 1563年 V.トレド起工,その死後助手の J.B.エレラが継いで 1584年完成。華美な装飾を避けた,簡素で荘重な建築 (デソルナメンタド様式 ) である。その配置形式は,基本的に王宮建築から生まれたもので,トレドのアルカサル模範といわれている。聖堂はギリシア十字形で,バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂を模倣し,その祭壇画はイタリアのマニエリスム画家ティバルディと L.カンビアーゾらが制作した。 1688年コエリョが祭具室の祭壇画を完成し,ジョルダーノは聖堂の穹窿部を装飾。ゴヤタペストリーもある。 1984年世界遺産の文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のエルエスコリアル修道院の言及

【スペイン美術】より

…これは,まずゴシックの構造にルネサンス的装飾モティーフ(円形浮彫,胸像,紋章,グロテスク文様など)をはりつけたような様式,その細工が銀細工plateríaを想起させるところからプラテレスコとよばれた様式から出発した(プラテレスコ様式)。その代表作はサラマンカ大学正面入口だが,時とともに,アルカラ・デ・エナレス大学ファサードのように構造と装飾の融合が進み,画家マチューカPedro Machuca(?‐1550)がアルハンブラ宮殿内に設計したカルロス5世宮において純イタリア様式に,そしてフェリペ2世が心血を注ぎ,エレラがその理想を実現したエル・エスコリアル修道院において厳格様式に到達した(エレラ様式)。この近世スペインの一大記念碑は,離宮と修道院と教会と王家の霊廟を総合するというもので,対抗宗教改革運動の本部にふさわしい建物であった。…

※「エルエスコリアル修道院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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