ジョルダーノ(読み)じょるだーの(英語表記)Umberto Giordano

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョルダーノ」の意味・わかりやすい解説

ジョルダーノ
Giordano, Luca

[生]1632.10.18. ナポリ
[没]1705.1.3. ナポリ
イタリア画家。ナポリで父アントニオおよび J.リベラなどに絵を学ぶ。 1650年頃ローマに行きルネサンス絵画を研究し,また P.コルトナの影響を受ける。 67年ベネチアに滞在,ベネチア派の感化を受ける。 79~82年フィレンツェに滞在し,メディチ家舞踏室に大天井画を制作 (1682~83) 。 69年カルロス2世に招聘されてスペインに行き,エスコリアル宮に天井画を制作。 1702年ナポリに帰り晩年をおくる。彼は 17世紀後半のナポリの代表的な画家で,無類の早描きと器用さで知られ,多様な様式で描いたため「早描きのルカ」の異名を取った。作品数もきわめて多い。

ジョルダーノ
Giordano, Umberto

[生]1867.8.27. フォッジャ
[没]1948.11.12. ミラノ
イタリアの作曲家。ミラノ音楽院で学び,P.マスカーニの流れをくむベリズモオペラの作曲家として活躍した。代表作フランス革命題材を取った『アンドレア・シェニエ』 (1896) 。ほかに『誓約』『無遠慮夫人』など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョルダーノ」の意味・わかりやすい解説

ジョルダーノ
じょるだーの
Umberto Giordano
(1867―1948)

イタリアの作曲家。ナポリ音楽院に学び、P・セラオに師事。音楽院在学中からオペラを書き始めたが、1896年ミラノのスカラ座で初演され、大喝采(かっさい)を博した4幕のオペラ『アンドレア・シェニエ』によって、一躍オペラ作曲家としての地位名声を確立した。フランス革命という動乱の時代を背景に実在の詩人シェニエを主人公にしたこのオペラは、ベリズモ(反ロマン的現実主義)の影響を示し、巧みな劇的効果と多くの美しい旋律によって、彼の代表作となっている。ほかのオペラには『フェドーラ』(1898初演)、『シベリア』(1903初演)、『マルチェッラ』(1907初演)、『王様』(1929初演)などがある。

[寺田兼文]

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