コエリヨ(読み)こえりよ(英語表記)Gaspar Coelho

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コエリヨ」の意味・わかりやすい解説

コエリヨ
こえりよ
Gaspar Coelho
(1527/1531―1590)

ポルトガル人のイエズス会司祭。1571年(元亀2)渡日、下(しも)地方(豊後(ぶんご)〈大分県〉を除く九州地方)修院長として宣教に従事、1581年(天正9)初代の日本副管区長となった。1586年5月4日大坂城で秀吉に謁した。その後1587年7月24日筑前(ちくぜん)(福岡県)箱崎滞在中の秀吉を訪ね、九州平定の祝賀を述べ歓待されたが、その夜突然4か条の詰問を受け、ついで宣教師追放令が発せられた。宣教師たちは九州諸侯の領内に潜伏、コエリヨは加津佐(かづさ)(長崎県南島原(みなみしまばら)市加津佐町)に隠れたが、天正(てんしょう)18年に没した。

[越前喜六 2018年2月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コエリヨ」の意味・わかりやすい解説

コエリョ
Coelho, José Francisco Trindade

[生]1861.6.18. トラズオズモンテス
[没]1908.6.9. リスボン
ポルトガルの小説家。コインブラ大学法学部を卒業。種々の定期刊行物に Belisárioの筆名執筆。 1889年にリスボンに移り,識字運動献身短編,中編小説で最高のリアリズム作家の一人に数えられる。古い習慣,詩情に満ちた幼年時代,少年の悲劇,擬人化された動物などを描き,リアリズムも過度に陥らず,言語表現に意を用いて,素朴で簡潔な筆致が特徴。短編集『私の愛情』 Os Meus Amores (1891) ,識字運動のための『国民の ABC』O ABC do Povoなど。

コエリョ
Coelho, Gaspar

[生]1527/1531. ポルト
[没]1590.5.7. 加津佐
ポルトガル人のイエズス会士。天亀2 (1571) 年来日,九州地方で布教活躍。天正9 (81) 年,日本初代副管区長。同 14年大坂城に秀吉を訪問,その九州征討や大陸進攻計画への支援をほのめかせた。のち伴天連追放令が出ると,多数の反対をおして長崎を武装し,教会領を守ろうと計画したが,実現前に病没した。

コエリョ
Coello, Claudio

[生]1635頃.マドリード
[没]1693.4.20. マドリード
スペイン,マドリード派最後の代表的画家。ルーベンス,A.ファン・ダイクらの影響を受けた。 1684年宮廷画家。代表作『聖体をあがめるカルロス2世』 (1685~90,エルエスコリアル修道院祭具室) 。

コエリョ

「サンチェス・コエリョ」のページをご覧ください。

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