電気によって音を拡大しかつ音色を変えることのできるギター。普通には〈エレキ・ギター〉〈エレキ〉ともいう。ダンスホールなどで働くギタリストたちの,よく響く大きな音の出るギターへの要求に応えて,1920年代の中ごろアメリカで,まず胴の中に金属製反響装置をとりつけたギターが発明された。また一部のギタリストは,マイクロホンあるいは蓄音機のカートリッジをギターにとりつけるなどの工夫をしていたが,30年代の初めに,馬蹄形磁石にコイルを巻いて作ったピックアップを設置した最初の電気ギターが発明され,リッケンバッカー,ギブソンなどのメーカーが製品化した。40年代に入ると急速に普及し始め,現代ではポピュラー音楽のあらゆる分野で広く使われている。
もっとも典型的なエレクトリック・ギターは,ソリッド・タイプ(ソリッド・ギター)と呼ばれるもので,胴はまったく共鳴体の役割を果たさず,弦が空気振動ではなく直接に電気振動を起こす機構になっている。それに対し,アコースティック・ギターに似た共鳴胴を備えたものをセミ・アコースティック・タイプと呼ぶ。日本では65年ごろ10代の少年の間でいわゆる〈エレキ・ブーム〉が起こり,その演奏に対する中学生の熱中ぶりが教育上の問題として騒がれたことがある。
執筆者:中村 とうよう
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 (株)ヤマハミュージックメディア音楽用語ダスについて 情報
…音に変化を与えるため補助的に応用している例としては,音板の下の共鳴パイプにモーターで回転するファンを取り付けてトレモロ効果を得ているビブラフォンがあげられる。振動を電気振動に変換して電子回路で音色を合成してスピーカーから発音させるものとしては,スチール弦の振動を電磁的に電気振動に変換しているエレクトリック・ギター,弦を打つ音をマイクで電気振動に変えたり,金属片を打った振動を静電的に電気振動に変える電気ピアノなどがある。(2)機械的回転を電気振動に変換しているもの。…
※「エレクトリックギター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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