ぎぶそん(読み)ギブソン(その他表記)Bob Gibson

デジタル大辞泉 「ぎぶそん」の意味・読み・例文・類語

ギブソン【ぎぶそん】

伊藤たかみの青春小説。平成17年(2005)刊行。14歳の少年達のバンドにかける情熱を描く。名称は米国の楽器メーカーの名から。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ぎぶそん」の意味・わかりやすい解説

ギブソン(Bob Gibson)
ぎぶそん
Bob Gibson
(1935―2020)

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のセントルイス・カージナルスに1959年から1975年まで所属し、右腕投手として活躍した。「オマハ超特急」とよばれた快速球と、相手打者の内角を攻める強気な投球で、1960年代最高の投手と称された。

 11月9日、ネブラスカ州のオマハに生まれる。1961年から先発ローテーションの一人に定着。19勝12敗、防御率3.01を残した1964年には、対ニューヨーク・ヤンキースとのワールド・シリーズで、投球回数27回で三振31を奪うシリーズ新記録(当時)を樹立して、優勝に貢献した。1968年には22勝9敗の成績をあげ、大リーグ史上3位(当時)となる防御率1.12を残し、投球回数304と3分の2回で三振268を奪い、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)と最優秀選手賞(MVP)を受賞した。同年の対デトロイト・タイガースとのワールド・シリーズには、第1戦と第4戦で勝利投手になり、シリーズ通算7連勝の新記録(当時)を達成、第7戦は敗戦投手になったが、シリーズ3試合で自らがもつシリーズ記録を更新する35三振を奪った。1970年には自己最多の23勝(7敗)をあげ、防御率3.12で2回目のサイ・ヤング賞を受賞した。打撃にも才能をみせ、通算打率2割6厘、ホームラン24本を打った。守備にも定評があり、守備が優れていた選手に贈られるゴールドグラブ賞を9年連続で受賞した。オールスター・ゲームにも8回出場した。現役生活17年間をカージナルス一筋で送った。

 17年間の通算成績は、登板試合528、投球回3884と3分の1、251勝174敗、防御率2.91、奪三振3117、完投255、完封56。獲得したおもなタイトルは、最多勝利1回、最優秀防御率1回、最多奪三振1回、サイ・ヤング賞2回、MVP1回、ゴールドグラブ9回。1981年に野球殿堂入り。2020年10月2日、膵臓がんで死去。

[出村義和]


ギブソン(James Jerome Gibson)
ぎぶそん
James Jerome Gibson
(1904―1979)

アメリカの心理学者。オハイオ州の生まれ。プリンストン大学で学士・修士・博士号をとる。そこでは行動主義のホルトEdwin Bissel Holt(1873―1946)の影響を受けた。1928年から1949年まで女子大学の名門スミス・カレッジで教えたが、そこにはコフカがおりゲシュタルト心理学の洗礼を受けた。また、妻のE・J・ギブソンは彼の影響を受けて心理学を専攻した学生であった。視知覚に関する研究が多く、図形残効に関するギブソン効果の研究、視空間の構造に関する「きめ」の密度の勾配(こうばい)説はその例である。彼は、感覚の存在を認めるが、感覚では知覚の恒常性は説明できないと考え、知覚の積極的性質を強調し、知覚とは刺激のなかに情報を求めようとするシステムであると主張する。

[宇津木保]

『J・J・ギブソン著、古崎敬他訳『生態学的視覚論――ヒトの知覚世界を探る』(1985・サイエンス社)』『T・J・ロンバード著、古崎敬・境敦史・河野哲也監訳『ギブソンの生態学的心理学――その哲学的・科学史的背景』(2000・勁草書房)』


ギブソン(Elenor Jack Gibson)
ぎぶそん
Eleanor Jack Gibson
(1910―2002)

アメリカの心理学者。イリノイ州の生まれ。コフカによるゲシュタルト心理学の影響が強かった時代のスミス・カレッジに学ぶ。プリンストン大学で学位を得た直後に来校した24歳のJ・J・ギブソンの影響を受けて実験心理学に興味をもち、まもなく彼と結婚。1938年エール大学でC・L・ハルの指導のもとに行った般化と分化の研究によって学位をとる。1940年母校の助教授を経て第二次世界大戦後は夫とともにコーネル大学に移り、知覚の学習や発達についての関心から視覚的断崖(だんがい)visual cliffの実験を行った。その後も読字に関する研究などがある。

[宇津木保 2018年7月20日]

『E・J・ギブソン著、小林芳郎訳『知覚の発達心理学』2冊(1983・田研出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ぎぶそん」の意味・わかりやすい解説

ギブソン
Gibson, William

[生]1948.3.17. コンウェー,サウスカロライナ
アメリカ合衆国のSF作家。フルネーム William Ford Gibson。サイバーパンク運動の第一人者。 1967年高校中退後カナダに旅行し,そのまま住みつきブリティシュコロンビア大学を卒業,学位を取得。『JM』 Johnny Mnemonic (1981,1995映画化) など初期作品の多くは『オムニ』 Omniに掲載された。 1984年,最初の長編小説『ニューロマンサー』 Neuromancerを発表。 22世紀の情報泥棒がグローバルコンピュータネットワークのマトリックスに侵入し企業管理社会と戦う物語で,ネビュラ賞やヒューゴー賞などを総なめにし,サイバーパンクのさきがけとして評価を確立。ギブソンの造語「サイバースペース」は,「コンピュータがつくり出した現実」を意味するバーチャル・リアリティを先取りしたものとなり,その世界観は『カウント・ゼロ』 Count Zero (1986) ,『モナリザ・オーヴァドライヴ』 Mona Lisa Overdrive (1988) へと続いた。ビクトリア朝のイギリスが舞台の『ディファレンス・エンジン』 The Difference Engine (1990,ブルース・スターリングと共著) を経て,『バーチャル・ライト』 Virtual Light (1993) で再びサイバースペース小説に回帰。ほかに,東京を舞台にした『あいどる』 Idoru (1996) ,『フーチャーマチック』 (原題『All Tomorrow's Parties』,1999) など。

ギブソン
Gibson, Mel

[生]1956.1.3. ニューヨーク,ピークスキル
アメリカ合衆国生まれのオーストラリアの映画俳優,監督,制作者。フルネーム Mel Columcille Gerard Gibson。12歳のときに家族でオーストラリアに移住。1974年オーストラリア国立演劇学院に入学し,在学中に映画デビュー。卒業後の 1977年南オーストラリア州立劇団に入団。1979年『マッドマックス』Mad Maxに主演。『ティム』Tim(1979)でオーストラリア映画協会賞主演男優賞を受賞。1981年の戦争映画『誓い』Gallipoliでも同賞を受賞した。『マッドマックス2』Mad Max 2(1981)で一躍国際的スターとなり,『マッドマックス/サンダードーム』Mad Max Beyond Thunderdome(1985)や「リーサル・ウェポン」シリーズでスターの地位を確立。『危険な年』The Year of Living Dangerously(1982),『ハムレット』Hamlet(1990)も高く評価された。1993年の監督デビュー作『顔のない天使』The Man Without a Faceにみずから主演。次いで監督した『ブレイブハート』Braveheart(1995)はアカデミー賞の作品賞と監督賞を含む 5部門に輝いた。2004年の『パッション』The Passion of the Christは興行的には成功したが,反ユダヤ,暴力礼賛,史実にそっていない,などという批判も浴びた。2006年の監督作品『アポカリプト』Apocalyptoではマヤ帝国の滅亡を描き,台詞にマヤ語を用いた。

ギブソン
Gibson, Althea

[生]1927.8.25. サウスカロライナ,シルバー
[没]2003.9.28. ニュージャージー,イーストオレンジ
アメリカ合衆国のテニス選手。全仏選手権大会(1956。→全仏オープン),ウィンブルドン選手権大会(1957,1958),全米選手権大会(1957,1958。→全米オープンテニス選手権大会)の女子シングルスで黒人選手として初めて優勝,テニスの世界で肌の色の壁を打ち破った。ニューヨークで育ち,1942年アフリカ系アメリカ人選手を対象とするアメリカ・テニス協会 ATA主催の大会でトーナメント初優勝。フロリダ農業機械大学(1953理学士号取得)に通うかたわら,黒人選手として初めて 1950年に全米選手権,1951年にはウィンブルドン選手権に出場した。長身で筋肉質の体をいかした力強いサーブ・アンド・ボレーを武器に,1950年代後半の女子テニス界に君臨した。

ギブソン
Gibson, Wilfrid Wilson

[生]1878.10.2. ノーサンバーランド,ヘクサム
[没]1962.5.26. サリー,バージニアウォーター
イギリスの詩人。幼時より詩作を始め,生涯文筆に専念。 1897年『スペクテーター』に初めて作品を発表。 1902年に処女詩集『山の恋人たち』 Mountain Loversを出す。いわゆるジョージ朝詩人の一人として,日常的題材を好んで扱い,また故郷の風物を描く。『詩集』 Collected Poems 1905-25 (1926) ,『島』 Islands (32) ,『島の雄鹿』 The Island Stag (47) など。ほかに『日々の糧』 Daily Bread (10) などの戯曲もある。

ギブソン
Gibson, Edmund

[生]1669
[没]1748.9.6.
イギリス国教会の主教,神学者。オックスフォード大学に学んで聖職につき,1716年にリンカーンの主教,23年から 48年までロンドンの主教をつとめる。その間にギブソンは自分も属している高教会派の司祭たちをハノーバー王家と和解させることに尽力した。理神論に反対し,メソジストの過度の敬虔主義を戒めた。イギリス国教会法の学者で,著書には"Codex iures ecclesiastici Anglicani" (2巻,1713) などがある。

ギブソン
Gibson, Thomas Milner

[生]1806.9.3. トリニダッド
[没]1884.2.25. アルジェリア
イギリスの政治家。 1839年保守党から自由党に転じ,マンチェスター選出の下院議員として R.コブデン,J.ブライトらとともに「穀物法」廃止に尽力。 46~48年商務院副総裁,59~66年同総裁。

ギブソン
Gibson, John

[生]1790.6.19. ウェールズ,ジッフィン
[没]1866.1.27. ローマ
イギリスの彫刻家。新古典主義の代表者の一人。 1817年にイタリアに渡り A.カノーバに学ぶ。彩色彫刻に特徴がある。主要作『ゼフュロスとプシケ』 (1816) ,『マルスとキューピット』 (19) ,『彩色ビーナス』 (51~55) 。

ギブソン
Gibson, William

[生]1914.11.13. ニューヨーク
アメリカの劇作家。中西部の弁護士と奔放なニューヨーク娘のロマンスを描いた『ふたりでシーソー』 Two for the Seesaw (1958) でブロードウェーにデビュー。代表作は,少女時代のヘレン・ケラーとその家庭教師アン・サリバン・メイシーの葛藤を感動的に描いた『奇跡の人』 The Miracle Worker (59) 。

ギブソン
Gibson, William Hamilton

[生]1850.10.5. アメリカ,コネティカット,サンディホック
[没]1896.7.16. アメリカ,コネティカット,ワシントン
アメリカの挿絵画家,文筆家,博物学者。きわめて正確な写実による花や昆虫の絵で知られる。白黒画が多く色彩を用いることは少い。ろうの造花にもすぐれた。

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百科事典マイペディア 「ぎぶそん」の意味・わかりやすい解説

ギブソン

カナダ生れの米国のSF作家。電脳空間と呼ばれるコンピューター網の世界を舞台にハッカーたちの行動を独特の文体と近未来風俗によって描いた《ニューロマンサー》(1984年)で一躍脚光を浴び,〈サイバーパンク〉SF作家の草分け的存在となる。《カウント・ゼロ》(1986年),《モナリザ・オーバードライブ》(1988年)によって電脳三部作を完成。他にB.スターリングとの共著《ディファレンス・エンジン》(1990年),短編集《クローム襲撃》(1986年)など。

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飲み物がわかる辞典 「ぎぶそん」の解説

ギブソン【Gibson】


カクテルの一種。ドライジン、ドライベルモットをシェークしカクテルグラスに注ぐ。飾りにカクテルピンに刺したパールオニオンを入れる。ショートドリンク。名は1890年代にアメリカで活躍したイラストレーター、チャールズ・ダナ・ギブソンに由来する。食前酒。

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デジタル大辞泉プラス 「ぎぶそん」の解説

ぎぶそん

伊藤たかみによる小説。2005年刊行。ロックバンド「ガンズ・アンド・ローゼズ」に憧れバンドを結成する少年たちの青春を描く。同年の坪田譲治文学賞を受賞。

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世界大百科事典(旧版)内のぎぶそんの言及

【カクテル】より

…またエキストラドライマチーニは材料,グラスともに冷やしておき,まずドライベルモットを氷の上から注ぎ,軽くかき回してから氷を残して水分を捨て,その上からジンを注ぎ手早くステアする。オリーブのかわりにパールオニオンと呼ぶ豆粒大のタマネギを使うとギブソンとなる。 フロリダアルコール分なしのカクテル。…

※「ぎぶそん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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