製油所,油槽所などの油保管施設,タンカーおよびタンカー係留施設における事故による流出油の拡散防止,除去の目的で水域に展張する浮体をいう。〈海洋汚染防止法施行規則〉による規格は,(1)寸法は,オイルフェンスAについては本体部の海面上の高さ20cm以上,海面下の深さ30cm以上,接続部の高さ60cm以上,オイルフェンスBについてはそれぞれ30cm,40cm,80cm以上,(2)単体の長さは原則として20m,(3)安定して海面に浮き,流出した油をせき止めることができる構造,(4)単体の長さ方向の引張強さ3000kgf以上,(5)防油壁の主材料の引張強さ30kgf/cm,(6)素材は耐油性,耐水性,保管状態で変化しにくいものと規定されている。実用化されているオイルフェンスは,形状,構造から固形型,膨張型,衝立(ついたて)型の3種に大別される。発泡材などを水平円筒形の浮体とする固形型や,水平円筒形の気室に空気を封入して浮体とする膨張型のものは,十分な浮力と,比較的軽い重量のため,波浪に対し追従性がいい反面,潮流の影響を受けやすい。
執筆者:吉田 多摩夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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