オハイオ(読み)おはいお(英語表記)Ohio

精選版 日本国語大辞典 「オハイオ」の意味・読み・例文・類語

オハイオ

(Ohio) アメリカ合衆国北東部、エリー湖南岸の州。一八〇三年、第一七番目の州として編入。州都コロンバス。重化学工業ほか農業牧畜が盛ん。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オハイオ」の意味・わかりやすい解説

オハイオ
おはいお
Ohio

アメリカ合衆国中北部の工業州。面積10万6764平方キロメートル、人口1135万3140(2000)。州都コロンバス。南と東の州境をオハイオ川が流れ、北境はエリー湖に臨み、西はインディアナ州に接する。東部はアレゲニー台地と湖岸平野、さらに西半分は中央低地が広がる。州土の4分の3は氷河作用を受け、全体的に緩やかに起伏する。気候は一般に湿潤大陸性で、夏は高温、冬は寒冷と変化が大きい。交通の障害となる急峻(きゅうしゅん)な山脈はなく、早くから東部と中西部の人口集中地域とを結ぶパイプの役割を担ってきた。現在は人口が全国第6位で人口密度が高く、さらに原料や労働力が得やすく、交通が発達し、市場が近いといった好条件に支えられて、合衆国の工業の中心地域となっている。工業生産高は全国第3位。重工業を特色とし、シンシナティを中心とする輸送機械、アクロンのゴムとプラスチック、エリー湖岸の良港であるクリーブランド鉄鋼や自動車、トレドのガラスなど、多くの都市で多種多様な工業生産がみられる。農業も古くから盛んで、トウモロコシ干し草、麦類、インゲンマメを多く産し、牧畜も重要。

 フランス人ラ・サールがオハイオ川流域を探検したのが1669年。のち毛皮交易所が次々と設立された。イギリスとフランスの間に領地獲得争いが絶えなかったが、フレンチ・アンド・インディアン戦争の結果、1763年にイギリス領となる。独立戦争後の1783年に合衆国領となり、87年にノースウェスト準州に含まれ、さらに1803年に17番目の独立州となる。その後の人口増加は目覚ましく、エリー運河開通の影響を受けて、1850年から80年の間に工業州としての基礎が築かれた。69年にグラント最初のオハイオ出身の大統領になってから、合計7人もの合衆国大統領を輩出しているのも興味深い。教育にも熱心で、1870年開校のオハイオ州立大学を中心に、多くの大学がある。

[作野和世]


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デジタル大辞泉プラス 「オハイオ」の解説

オハイオ〔洋楽〕

アメリカのロックグループクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの曲。1970年に発表。ニール・ヤングによるプロテスト・ソングで、ニクソン大統領を名指しで批判したため放送禁止になりながらも、全米第14位を記録。「ローリング・ストーン」誌が選ぶ最も偉大な500曲第395位。原題《Ohio》。

オハイオ〔戦艦〕

《Ohio》アメリカ海軍の戦艦。メイン級の前弩級戦艦。船体識別番号はBB-12。1901年進水、1904年就役。グレート・ホワイト・フリートの世界一周航海(1907~1909年)に参加。1919年退役。その後スクラップとして売却。

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