ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘーズ」の意味・わかりやすい解説
ヘーズ
Hayes, Rutherford Birchard
[没]1893.1.17. オハイオ,フレモント
アメリカの政治家。第 19代大統領 (在任 1877~81) 。シンシナティの弁護士として逃亡奴隷事件の被告を弁護し,共和党に入党。 1865~67年連邦下院議員。 68~72,76~77年オハイオ州知事。 77年の大統領選挙戦に共和党候補として立ち,民主党の S.ティルデンと戦い,一般投票でも選挙人投票でもティルデンに敗れたが,4州での投票に疑義がもたれ,連邦議員と連邦最高裁判所判事から成る特別選挙委員会の調査の結果,選挙人投票 185対 184でヘーズの逆転当選が確定 (→ヘーズ=ティルデン妥協 ) 。 77年大統領に就任後ただちに南部に残っていた連邦軍を撤退させ,再建時代に終止符を打った。さらに南部の旧勢力の復活を認め南部人を連邦官職に任命するなど対南部宥和策をとったため,共和党保守派特に R.コンクリング上院議員と対立。 77年の鉄道ストライキには連邦軍を出動させて鎮圧。銀貨の発行を要求する西部に対しては東部の金貨派の側に立ち健全通貨政策を支持し,ブランド=アリソン法には拒否権を発動したが,議会で成立した。また中国人移民禁止法案にも拒否権を発動。 81年大統領退任後は教育事業,刑務所改善に尽した。
ヘーズ
Hayes, Helen
[没]1993.3.17. アメリカ,ニューヨーク
アメリカの女優。本名 Helen Hayes Brown。5歳のときから舞台に立ち,シェークスピア,E.オニール,T.ウィリアムズなどの作品に主演。小柄ながらも美貌と知的な演技によって人気を博した。 1951~53年アメリカ国民演劇およびアカデミー ANTA会長。ニューヨークのヘレン・ヘーズ劇場は彼女の舞台生活 50年を記念して命名されたもの。映画出演も多く,『マデロンの悲劇』でアカデミー主演女優賞 (1932) ,『大空港』でアカデミー助演女優賞 (70) を受賞した。自伝『喜びの贈り物』A Gift of Joy (1965) がある。
ヘーズ
Hayes, Carlton Joseph Huntley
[没]1964.9.3. ニューヨーク,アフトン
アメリカの歴史学者。 1907年コロンビア大学卒業後,同大学で講師,助教授,教授となり 50年まで教鞭をとった。その間,42~45年スペイン駐在大使。近代ヨーロッパ史を専攻し,ナショナリズムの系譜を人道主義的,ジャコバン的,伝統的,自由主義的,全体主義的なものに分類し,ナショナリズムを未来の国際平和主義への道に方向づけることができると主張した。主著"Essays on Nationalism" (1926) ,"The Historical Evolution of Modern Nationalism" (48) 。
ヘーズ
Hays
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