翻訳|Cincinnati
アメリカ合衆国、オハイオ州南西端オハイオ川に臨む都市。人口33万1285(2000)。ケンタッキー、インディアナ両州州境に近く、商工業、文化の中心地として知られる。瀝青炭(れきせいたん)の産出量は合衆国最大であり、内陸石炭港としては世界最大の規模を誇っており、同市の工業発展の重要な要素となっている。工作機械、せっけん、トランプ、化粧品を中心とした製造業が盛んで、自動車、ジェットエンジン、金属製品製造や長い歴史をもつ印刷・出版業も見逃せない。近年のダウンタウンの整備改築などによって、「人間のまち」として、ケンタッキー州、インディアナ州の小都市からも人が集まり、文化活動、ショッピングの場を提供する。「西部のクイーン・シティ」と異名をとったシンシナティは、インディアンの主要な河川交通の十字路であり、1788年にローザンティビルとして建設された。1790年には、独立戦争末期に結成された軍関係の協会名をとってシンシナティと改名された。1800年にはノースウェスト準州最初の州議会開催地となった。マイアミ運河(1827)やオハイオ・エリー運河(1832)などの開通によって交通・商業の中心地として大きく発展、40年代から50年代の南部との交易がさらに大きな発展につながったが、南北戦争では北軍につき微妙な立場にたたされた。市民の文化やスポーツ活動は活発で、シンシナティ交響楽団やシンシナティ・バレエの本拠となるミュージック・ホール、州立美術館、第27代大統領W・H・タフトゆかりのタフト美術館がある。野球のシンシナティ・レッズはグレート・アメリカン・ボール・パークを、フットボールのベンガルズはポール・ブラウン・スタジアムを本拠地とする。シンシナティ大学(1819創設)の所在地でもある。
[作野和世]
アメリカ合衆国オハイオ州南西部の商工業都市。人口30万8728(2005)で同州第3位(大都市域人口156万,1992)。オハイオ川に臨む河港で,オハイオ・バレー地域における交通の中心地。機械,化学,印刷,醸造などの工業や食肉加工業が立地するほか,シンシナティ大学(1819創設)をはじめとする高等教育機関やシンシナティ交響楽団(1895創設)を擁する文化の中心地としても重要である。1788年に町が創設され,1811年の蒸気船の到来によって河川交通時代に入り,オハイオ・エリー運河の開通(1832)やアパラチアの石炭の積出し港としての機能は,同市の発展にとって刺激となった。市名は古代ローマの将軍キンキナトゥスCincinnatusに由来する。第27代大統領タフトの出生地。
執筆者:矢ヶ崎 典隆
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