オープンデータ(読み)おーぷんでーた(英語表記)open data

デジタル大辞泉 「オープンデータ」の意味・読み・例文・類語

オープン‐データ(open data)

インターネットなどを通じて誰でも自由に入手し、利用再配布できるデータの総称。ふつう政府自治体・研究機関・企業などが公開する統計資料・文献資料・科学的研究資料をさし、図画動画などのデジタルコンテンツも含む。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「オープンデータ」の解説

オープンデータ

一定の決まりのもとで,誰でも自由に利用・再利用・再配布できるデータを公開する試み.あるいはそうしたデータの総称.最も多くを占めるのは行政公共のデータだが,広義には民間事業者や個人が提供するものも含む.単にウェブ上で公開されているだけでなく,クリエイティブコモンズ等によるライセンス(著作権取り扱い方法)の明示や,RDFなど標準的なデータ形式を踏まえることが要件とされる.2019(平成31)年4月に国立国会図書館は自館が作成した書誌データをオープンデータとし,有料頒布から無償提供に変更した.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オープンデータ」の意味・わかりやすい解説

オープンデータ
おーぷんでーた
Open data

政府機関や自治体、研究機関、教育機関、企業などがもつ、だれでも入手が可能で、自由に利用や配布ができるデータやコンテンツ。明確な定義はないが、インターネットなどから手軽に入手できて、利用料などを求められず、利用する分野や方法、著作権などのライセンスといった制限がなく、入手したデータの加工や修正、派生データの作成が自由で、さらにそれらの再配布や譲渡が認められているデータをさすことが多い。政府や自治体がもつオープンデータを、企業が進めるビッグデータ活用と組み合わせることにより、新たな可能性やビジネスチャンスを生み、それが経済の活性化にもつながるとして期待されている。

 世界的にみると、国家レベルでのオープンデータ活用が加速しており、総務省の『平成24年版情報通信白書』によると、オープンデータサイトを開設している国は、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなど30か国に及ぶ。日本では、2001年(平成13)に設置された内閣高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)が中心となって推進しており、2010年には「個人情報の保護に配慮したうえで、二次利用可能な形で行政情報を公開し、原則としてすべてインターネットで容易に入手することを可能にし、国民がオープンガバメントを実感できるようにする」という目標が掲げられた。その後もIT戦略本部では、2012年に「電子行政オープンデータ戦略」を策定するとともに、「電子行政オープンデータ実務者会議」を設置して提言を行うなど、さまざまな取り組みを進めている。総務省でも、2011年度に設立した「クラウドテストベッドコンソーシアム」を中心に実証実験を開始した。さらに2012年、総務省を中心に産官学が共同で、オープンデータ流通環境の実現に向けた基盤整備の推進を目的とする「オープンデータ流通推進コンソーシアム」を設立。経済産業省と総務省は同コンソーシアムと連携して、データの流通や連携のための共通APIの開発および国際標準化、データ活用ルールの検討を進めている。共通APIの策定によって、企業などのオープンデータ活用に拍車がかかるものと期待されており、経済産業省ではオープンデータを実践するための試験サイト「Open DATA METI」を開設し、ユーザーの意見や要望の取り込みを図っている。

[編集部]

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