API(読み)えーぴーあい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「API」の意味・わかりやすい解説

API
えーぴーあい

アプリケーション・プログラミング・インターフェースApplication Programming Interfaceの略語。「アピ」とも読む。オペレーティングシステムOS)やミドルウェアmiddleware(OSとアプリケーションソフトウェア中間で、アプリケーションソフトウェアに特別な機能を提供するソフトウェア)などが持つさまざまな機能を利用するための、接続部分のこと。アプリケーションソフトウェア(アプリ)を作成する際に開発者が使う。Windows(ウィンドウズ)をはじめとするOS上で稼動するアプリは、そのOSが提供する、共通して使用される機能(ファイル保存や印刷など)の多くを呼び出し、制御している。このOSとアプリの交信が行われる接続部分がAPIである。APIにはWindows用の「Windows API」、Mac OS X(マックオーエステン)用の「Cocoa(ココア)」、特定の用途に応じたミドルウェアなどに対応するものがあり、通常は関数やコードの集合として提供されている。利用される機能はファイル制御、ウインドウ制御、画像処理、文字制御など。OSに新たな機能が追加されれば、それに対応した新しいAPIも、OSやミドルウェアを提供している会社から追加される(APIの実装)。APIを利用することにより、ソフトウェアの開発者は簡潔に使用目的に沿ったアプリを作成することができる。なお、インターネットで公開されている、Web(ウェブ)サイト作成などに利用されるAPIはWeb APIとよばれる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「API」の意味・わかりやすい解説

API
エーピーアイ
application programming interface

コンピュータの異なるプログラム間で情報のやりとりができるように標準化されたインターフェース。開発者がプログラムに処理を実行させるための所定の手続きを定め,ほかのアプリケーションプログラムの動作を簡便化し,異なるプラットフォーム間で複数のプログラムが交信できるようにする。一般に,APIを欠くプログラムはほかのアプリケーションと効果的に動作できない。APIの機能は,処理を実行するプログラムによって異なる。おもな機能は以下の 4種類である。RPC; remote procedure call(遠隔手続き呼び出し)は,プログラムの手続きをほかのプログラムに利用させる。SQL; standard query language(標準照会言語)は,データベースにアクセスする標準的な方法を確立する。ファイル転送APIは,ファイルの送信と受信の方法を確立する。メッセージ配信APIは,プログラムとユーザーの間でメッセージを伝える。ほかにも,アプリケーションへの画像や音声の提供,ネットワーク機能の追加,セキュリティ保持とデータ解釈,記憶装置やハードウェアなどシステムリソースの管理などの働きをする。また形態としては,商用ソフトウェアへの組み込み,ライセンスが付与されたソフトウェア,特定のプログラム向けに設計されたインターフェースの三つがある。

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