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カギカズラ Uncaria rhynchophylla Miq.

世界大百科事典 第2版の解説

カギカズラ【Uncaria rhynchophylla Miq.】

アカネ科のつる性木本,茎の変形した(かぎ)があり,社寺林などの常緑樹林内や伐採跡などにも生え,高さ数十mの樹冠まで達し,よく枝を張るので,遠目にもそれとすぐわかる(イラスト)。鉤は鉤藤(こうとう),釣藤鉤(ちようとうこう)と呼ばれ,リンコフィリンrhynchophillineというアルカロイドを含み,鎮静,鎮痛薬としてリウマチ,精神不安定,けいれん,小児の夜泣き,てんかんなどに用いられる。近年,血圧降下作用のあることもわかり,心臓および脳血管の病変腎炎あるいは貧血性高血圧症に効果がある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カギカズラ
かぎかずら / 鉤蔓
[学]Uncaria rhynchophylla Miq.

アカネ科の藤本(とうほん)。葉は対生し、葉身は全縁、卵形で先は急に細くなってとがる。若い茎は四角で、葉の基部のすぐ上部に枝が変形した下向きに湾曲した鉤(かぎ)があり、これによって他物によりかかる。茎の各節の上部に、2個と1個の鉤が交互に生じ、他物にひっかかった鉤はとくに大きく成長する。花は小さく、頭状花序をなして腋生(えきせい)および頂生し、7月に白緑色の花冠を開く。房総半島以西の本州、四国、九州、中国の中部と南部に分布する。
 鉤を採取して乾かすと赤褐色となる。これを釣藤鉤(ちょうとうこう)または鉤藤(こうとう)と称し、鎮痙(ちんけい)、鎮痛作用があるため、漢方では小児のひきつけ、高血圧による頭痛やめまいなどの治療に用いる。リンコフィリンなどのアルカロイドを含む。年間約1トンを中国から輸入し、市場品はほとんど中国産のものである。中国にはこのほかトウカギカズラU. sinensis (Oliv.) Havil.があり、花冠は黄色、托葉(たくよう)は円形、全縁で反曲する。カギカズラの托葉は2深裂した線形なので容易に区別できる。[長沢元夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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