カムイヌプリ(読み)かむいぬぷり

日本歴史地名大系 「カムイヌプリ」の解説

カムイヌプリ
かむいぬぷり

弟子屈町北部、摩周ましゆう湖南東に位置する活火山。標高八五七メートル。摩周岳とも称し、アイヌ語ではカムイヌプリ(神の山)という。摩周火山の活動により七〇〇〇年ほど前に摩周カルデラが形成され、カルデラ形成の反動として三五〇〇年ほど前に摩周岳ができた。五〇〇年ほど前の噴火活動により直径一・一キロ、深さ四五〇メートルの火口が形成された。前近代には「マシウ岳」「神岳」(久摺日誌)、「カモイ岳」「カムイノホリ」などとよばれた(「戊午日誌」摩之宇誌)。摩之宇誌には「末之宇の山たるや、西はクスリ沼に接し、北は其麓より落る水シヤリ川すじえ出、東の山脈ニシベツ岳に連りて」と周囲の山脈との位置関係が述べられ、さらに「其山の頂に一ツの湖水有(中略)其南岸一ツの山有、是をカムイノホリと云り」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カムイヌプリ」の意味・わかりやすい解説

カムイヌプリ

北海道南東部,摩周湖東岸にある火山。別称摩周岳。標高 857m。弟子屈町に属する。山岳名はアイヌ語で「魔神の山」を意味する。直径 1500mの火口と,急斜面をもつ円錐コニーデ)形の成層火山で,安山岩火山砕屑物からなる。阿寒国立公園に属する景勝地。カムイヌプリを含む摩周火山は気象庁が定義する活火山に指定されており,約 7000年前の噴火で今日の摩周湖となるカルデラが形成され,約 2000年前までにカムイヌプリが生成された。

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世界大百科事典(旧版)内のカムイヌプリの言及

【摩周湖】より

…湖面の標高は351mで,湖水の最深部は212mあり,湖底は平たんである。湖の南東部のカルデラ内に噴出してカルデラ壁の一部を覆うカムイヌプリ(摩周岳。855m)は急峻な円錐形をなしている。…

※「カムイヌプリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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