カヤシマグモ(読み)かやしまぐも

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カヤシマグモ」の意味・わかりやすい解説

カヤシマグモ
Filistata marginata

クモ綱クモ目カヤシマグモ科。体長 5mm。壁の割れ目天井板の継ぎ目などに小さな不規則な巣をつくる。入口からちぢれた糸を放射状に引き,かかった昆虫などを巣に持込んで食べる。南方系で,沖縄台湾にみられる。なおカヤシマグモ科 Filistatidaeは下唇不動で,胸板と完全に癒合していることが特徴である。 (→クモ類 )

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カヤシマグモ」の意味・わかりやすい解説

カヤシマグモ
かやしまぐも / 萱嶋蜘蛛
[学] Filistata marginata

節足動物門クモ形綱真正クモ目カヤシマグモ科に属する陸生動物。奄美(あまみ)大島より南方にすむ熱帯系のクモで、人家の天井の隅、窓際、壁の割れ目などに縮れた複雑な網を張る。体長5ミリメートル、紫褐色のクモで、歩脚淡褐色、背甲側縁は白い。6個の出糸突起から出た糸を篩板(しばん)から出る多数の糸でかがり、独特の縮み網をつくる。形態的には下唇と胸板が続いているのも特徴である。

[八木沼健夫]

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