改訂新版 世界大百科事典 「カンナビヒ」の意味・わかりやすい解説
カンナビヒ
Johann Christian Cannabich
生没年:1731-98
ドイツの作曲家。マンハイム楽派の一員で,その主導者であったシュターミツの弟子。イタリアで研鑽(けんさん)を積んだのち,師の亡きあと,マンハイムの宮廷オーケストラのコンサートマスターを経て,1774年に音楽監督。78年,宮廷自体の移動とともに活躍場所はミュンヘンに移る。多数の交響曲,協奏曲,室内楽曲,バレエなどの作品がある。77-78年にマンハイムを訪れたモーツァルトに大きな示唆を与えた。
なお,アルザス地方出身の父マルティン・フリードリヒMartin Friedrich(1675?-1759以後)もマンハイムの宮廷でフルート奏者,作曲家として活躍。また息子のカール・コンラートCarl Konrad(1771-1806)もバイオリン奏者,作曲家としてミュンヘンを中心に活躍した。
執筆者:大崎 滋生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報