キキョウ科(読み)キキョウか(その他表記)Campanulaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キキョウ科」の意味・わかりやすい解説

キキョウ科
キキョウか
Campanulaceae

双子葉植物キキョウ目の1科。南北両半球にわたって熱帯から温帯まで広い分布域をもち,北半球では周極地方や高山帯にまで分布する。 60~70属約 2000種が知られる。例外的に高木状の種もあるが,大半は多年草で小型。葉は互生し,根生葉をもつものも多い。葉や茎に乳液をもち,傷つけると浸出する。花は鐘形の合弁花で5浅裂するのが普通であるが,ミゾカクシ (サワギキョウ) 亜科 (独立させてミゾカクシ科 Lobeliaceaeとすることもある) に分類される種では左右相称形であるものが多い。花は5数性の両性花でおしべ5本,子房下位で通常5室または多室に分れる。果実は通常は蒴果で開裂する。美花をつけるものが多く観賞用の種類が多い。高山植物としてはチシマギキョウ (千島桔梗)などがあり,ミゾカクシ亜科は南アメリカや太平洋諸島で特異な分化をしている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キキョウ科」の意味・わかりやすい解説

キキョウ科
ききょうか
[学] Campanulaceae

双子葉植物、合弁花類。多くは多年草であるが、まれに木もある。葉は一般に単純で互生し、托葉(たくよう)はない。花は両性、多くは5数性で、花冠は鐘形または唇形。子房は大部分が下位で2~5室、多数の胚珠(はいしゅ)がある。日本に分布するものは、花冠が放射相称で葯(やく)は離生するキキョウ亜科と、左右相称で葯は合生するミゾカクシ亜科に分けられる。世界に約70属2000種があり、そのうち日本にはキキョウ属、ホタルブクロ属、ツリガネニンジン属など9属29種が分布する。

[高橋秀男 2021年10月20日]

 APG分類でもキキョウ科とされる。この分類による2018年のデータでは世界に約86属2300種があり、日本には9属31種が自生する。

[編集部 2021年10月20日]


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