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ギリェン Guillén, Jorge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ギリェン
Guillén, Jorge

[生]1893.1.13. バリャドリド
[没]1984.2.6. マラガ
スペインの詩人。詩人グループ「1927年の世代」の一人。詩作と同時にスペインやヨーロッパ各地,内乱後はアメリカでスペイン文学を講じ,詩論に『言語と詩』 Lenguaje y poesía (1962) がある。詩はほとんどが『うた』 Cántico (28~50) と『叫び』 Clamor (57~63) に収められ,いずれも日常世界に取材しながら,本質的に詩であるもののみを結晶させた透明な言語の世界を志向している。

ギリェン
Guillén, Nicolás

[生]1902.7.10. カマグエイ
[没]1989.7.16. ハバナ
キューバの詩人。黒人の血をひく。独立後のキューバ文化運動のなかで,『ソンのモチーフ』 Motivos de son (1930) ,『ソンゴロ・コソンゴ』 Songoro Cosongo (1934) を発表し,キューバのみならず,ネグリチュード文学の旗手となる。黒人的語法と擬音や隠喩を多用,リズム感と素朴な情感に満ちたこれらの詩は,アフリカ黒人の伝統の豊かさとキューバ黒人独自の世界をもち,虐げられた人々の悲惨な現実を告発している。 1934年の『西インド諸島株式会社』 West Indies,Ltd.は,告発の姿勢がより強く,戦闘的確信に満ちている。 1937年共産党に入党,スペインでの国際反ファシスト文化擁護会議に参加して,内乱を目撃,『兵士のための歌と観光客のためのソン』 Cantos para soldados y sones para turistas (1937) を発表した。のちヨーロッパ,ラテンアメリカをジャーナリストとして歴訪。キューバ革命後は作家芸術同盟の会長を務め,革命と文化の擁護者として,また新文化の創造者として活動。ほかに『エレジー』 Elegías (1958) ,『大動物園』 El gran zoo (1967) など。

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百科事典マイペディアの解説

ギリェン

スペインの詩人。1938年に亡命,アメリカなどで自国文学を講じた後,1977年に帰国。マラルメ等の影響を受け,装飾性を徹底的に排除した純粋詩身上とする。存在への賛歌ともいえる彼の詩作の大部分は《うた》(1950年)に収められているが,それは,純粋詩としての澄明さ故に象徴性に満ちたものとなっている。

ギリェン

キューバのムラート(白人と黒人との混血)詩人。代表詩集《ソン(キューバの民謡)のモティーフ》(1930年)。社会詩・政治詩も手がけキューバの民族詩人と称される。

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世界大百科事典 第2版の解説

ギリェン【Jorge Guillén】

1893‐1984
スペインの詩人。1919年から書き始めた作品は《詩集》という表題の1巻に収められていき,28年の初版は75編,50年の決定版は334編から成る。それらは,逸話一過性の要素を排した純粋詩であり,経験と感覚の本質を装飾を施さぬ簡潔な形式で表現している。一方,《さらなる詩集》(1973)では,政治詩や風刺詩を含むさまざまな傾向が示されている。1938年に亡命,アメリカなどで自国文学を講じた後,77年に帰国。

ギリェン【Nicolás Guillén】

1902‐89
キューバのムラート(白人と黒人との混血)詩人。キューバの民謡ソンを詩の領域に昇華させた詩集《ソンのモティーフ》(1930)でアフロ・キューバン詩の代表的詩人になり,のちには社会詩・政治詩の分野にまで詩の世界を広げて,キューバの民族詩人と別称されている。革命後は長年の亡命生活から帰国し,1961年に結成されたキューバ作家芸術家同盟の議長を務めている。【神代 修】

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大辞林 第三版の解説

ギリェン【Nicolás Guillén】

1902~1989) キューバの詩人。アフロキューバ音楽ソンを詩作に取り入れ「混血詩」の代表者となる。前衛詩から次第に社会性を帯びた民衆詩へと移行。詩集「ソンのモチーフ」「西インド諸島株式会社」など。

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世界大百科事典内のギリェンの言及

【スペイン文学】より

…1927年,〈黄金世紀〉の詩人ゴンゴラの300年忌に合わせてグループを結成した一群の詩人を〈27年世代〉と呼ぶ。これは〈20世紀前半のヨーロッパ抒情詩が生んだ,おそらく最も貴重な宝〉(フーゴ・フリードリヒ)といわれるグループで,《ジプシー歌集》,そして《血の婚礼》をはじめとする三大悲劇により,詩人・劇作家として世界的名声をはせているF.ガルシア・ロルカ,V.アレイクサンドレ,純粋詩のJ.ギリェンらがその中核をなしている。
【戦後文学】
 国内を二分した内戦後のフランコ独裁体制は優れた作家を国外に追いやり,多くの才能を圧迫したため,戦後しばらくは文学的不毛の時が続いたが,小説ではC.J.セラの《パスクアル・ドゥアルテの家族》やラフォレCarmen Laforet(1921‐ )の《無》,詩ではD.アロンソの《怒りの息子》,そして演劇ではA.ブエロ・バリェホの《ある階段の物語》によって戦後文学が曙を迎えた。…

※「ギリェン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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