フォークロア(その他表記)folklore

翻訳|folklore

デジタル大辞泉 「フォークロア」の意味・読み・例文・類語

フォークロア(folklore)

《「フォークロワ」とも》
民間伝承民俗
民俗学
フォークロアスタイル

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精選版 日本国語大辞典 「フォークロア」の意味・読み・例文・類語

フォークロア

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] folklore )
  2. 民間伝承。民俗。
  3. 民俗学。〔外来語辞典(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「フォークロア」の意味・わかりやすい解説

フォークロア
folklore

昔から人々の間で語り継がれ受け継がれてきた習慣信仰儀礼説話民謡,諺など,およびその研究。近来,これまでのフォークロアではそれほど重要視されなかった家庭用具,生産用具などの物質文化の研究も増えている。古代人の信仰や習俗に対する関心はヘロドトスに代表されるようにきわめて古くからあるが,フォークロアという用語自体は1846年イギリスのトムズWilliam Thomsによって初めて用いられた。イギリスにおいては民衆が保持している古い習俗,信仰などは,当初ギリシア・ラテン的あるいはドルイド教的異教の文化の〈残存〉と考えられ,フォークロアも長い間〈残存の科学〉と定義されてきた。これには同じころ学問として成立した民族学社会人類学影響も強い。当初フォークロアは民族学,社会人類学と境界がはっきりせず,イギリスでは結局,社会人類学に吸収されることになった。ドイツでは1800年代前半にグリム兄弟が民間説話俗信の体系的研究を行い,フォークロア研究の基礎を築いたが,ドイツにおけるフォークロアはもっぱら自民族の残存文化を扱い,民族学においては諸民族の文化を扱うというぐあい,両者は区別されてきた。

 アメリカではフォークロアはおもに北米インディアンの民間説話研究を対象としている。フォークロア研究で最も盛んなのは民間説話(神話,伝説,昔話等)の研究である。この分野での最重要の業績の一つは,ソ連プロップV.Ya.Proppによる《民話形態学》(1928)である。彼の構造的・形態学的方法は説話研究に新しい次元を開き,レビ・ストロースの構造論的神話研究とともに,現在のフォークロアにおける説話研究に大きな影響を与えている。なお,〈民俗学〉という用語はフォークロアの訳語であるが,〈日本民俗学〉を表すことも多い。また〈民間伝承〉はフォークロアの研究対象となるものを示し,それが文献ではなく,人々に伝え継がれているものであることを強調している。
民俗学
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百科事典マイペディア 「フォークロア」の意味・わかりやすい解説

フォークロア

民間伝承,民俗,またそれを研究対象とする民俗学の意。1846年英国の古代学者W.J.トムズ〔1803-1885〕が作った言葉。狭義には民間文芸をさすが,今日では習慣,信仰,儀礼,説話や物質文化など広く民間の知識と技術の伝承の全部をさす。民間伝承には,外来文化や,上層階級の沈降文化なども,常民が前代から保持した文化に融合した形で含まれている。

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知恵蔵 「フォークロア」の解説

フォークロア

フォークロアとは「民俗」の意味で、ファッションでは民族調のスタイルを指す。2002年に大きなトレンドになった。チュニックや刺しゅうを施したショール、ティアードスカート、マクラメのベルトなどが代表的アイテム。ボヘミアンには、より自由で気ままなイメージがある。いずれも、ロマンチックで夢のある雰囲気が特徴。同時多発テロなどの影響で、攻撃的なデザインを避ける風潮に適合したスタイルだったが、03年以降は夢のあるクラシックスタイルに取って代わられた。

(上間常正 朝日新聞記者 / 2007年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォークロア」の意味・わかりやすい解説

フォークロア
ふぉーくろあ

民俗学

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世界大百科事典(旧版)内のフォークロアの言及

【フォルクローレ】より

…もとは英語のフォークロア,すなわち〈民俗〉〈民間伝承〉〈民俗学〉などを意味する言葉だが,これが同じ綴りのままスペイン語に入り,20世紀に入ってのちしだいに〈民謡〉〈民俗音楽〉を指すようになった。さらに現代では,大衆音楽でも民俗的な要素を多少とももつものならフォルクローレと呼ぶように意味が拡大されている。すなわちスペインおよび中南米諸国では,今日この言葉を本来の学問的で狭い意味合いと,慣用の一般的で広い意味合いの双方に用いている。…

※「フォークロア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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