擬音(読み)ギオン

精選版 日本国語大辞典 「擬音」の意味・読み・例文・類語

ぎ‐おん【擬音】

  1. 〘 名詞 〙 演劇、映画、放送劇などで、実際の音に似せて作り出す人工の音。効果音。エフェクト。⇔実音
    1. [初出の実例]「ポプリンの机掛をペン軸で左右にこする方法によって、その擬音を出すこともできるが」(出典:丹下氏邸(1931)〈井伏鱒二〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「擬音」の意味・わかりやすい解説

擬音
ぎおん

演劇、映画、ラジオ、テレビなどにおいて、舞台効果を高める一方法として、種々の音や動物の鳴き声を人工的につくりだすことをいう。日本では、歌舞伎(かぶき)においておもに大太鼓様式化されてきたが、新劇台頭とともに現実的な音が要求され、新しい効果音をつくりだすために数々の道具考案開拓された。やがて録音盤、レコードテープレコーダーの開発普及が効果音に大きな変化をもたらしたが、独特の舞台効果をあげるために従来の擬音を使用する場合もある。

大木 靖]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の擬音の言及

【音響効果】より

…演劇・映画・ラジオ・テレビなどにおいて,劇の進行上必要な音(擬音)を創造・表現して,劇の進展を助け雰囲気を盛り上げる舞台効果の一つ。各分野でその内容は異なるが,大要は同じなので,ここでは演劇の音響効果について記す。…

※「擬音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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