クスノキ科(読み)くすのきか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クスノキ科」の意味・わかりやすい解説

クスノキ科
くすのきか
[学] Lauraceae

双子葉植物、離弁花類常緑または落葉の木、まれに寄生するつる草もある。全体に芳香がある。花は小さく両性または単生。4または6枚の花被(かひ)があり、雄しべは6~12本、普通は3本ずつが2、4輪に並ぶ。葯(やく)は2または4室で、2または4枚の弁状の蓋(ふた)が開いて花粉を散らす。雌しべは1本、子房は1室、1個の胚珠(はいしゅ)が下垂する。果実は液果で1個の堅い種子がある。クスノキ亜科と寄生植物のスナヅル亜科があり、熱帯から暖帯に分布し、32属約2500種知られる。日本にはクスノキ属、クロモジ属、タブノキ属、シロダモ属など10属約28種が野生し、またゲッケイジュニッケイが栽培され、アボカドが果物として知られる。APG分類でもクスノキ科とされる。

山崎 敬 2018年8月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クスノキ科」の意味・わかりやすい解説

クスノキ科
クスノキか
Lauraceae

双子葉植物モクレン目の1科。新旧両大陸の熱帯から暖温帯にかけて広く分布し,30余属 2000種以上がある。特に種類が多いのは東南アジアとブラジルとされる。大半は常緑の高木または低木であるが,クロモジ (黒文字)などの落葉低木や,まれにスナヅル属 Cassythaのように寄生生活をするつる草本もある。葉は互生または対生し,幹とともに精油成分を含んでいて芳香をもつものが多い。花は3数性のものが多く,おしべは花被片の2倍数。 (やく) が弁で開閉して花粉を出す点が特徴的である。クスノキ (樟)ニッケイ (肉桂)ゲッケイジュ (月桂樹)など薬用,香料原料とされるものが多く,熱帯果樹のアボカドもこの科の植物である。

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世界大百科事典(旧版)内のクスノキ科の言及

【クスノキ(樟)】より

…庭園,神社,寺院によく植えられ,また暖地の街路樹にも用いられるクスノキ科の常緑樹木で,ふつう樹高25m,直径80~150cmになるが,ときには樹高40m以上,直径5~8mに達する巨大なものがある(イラスト)。関東地方以南,四国,九州から台湾,中国南部,インドシナに分布し,丈夫で育ちやすいので各地に植えられる。…

※「クスノキ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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