クビワオオコウモリ(読み)くびわおおこうもり(その他表記)Japanese collared fruit bat

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クビワオオコウモリ」の意味・わかりやすい解説

クビワオオコウモリ
くびわおおこうもり / 頸輪大蝙蝠
Japanese collared fruit bat
[学] Pteropus dasymallus

哺乳(ほにゅう)綱翼手目オオコウモリ科の動物。口永良部(くちのえらぶ)島から与那国(よなくに)島まで分布し、世界のオオコウモリ科のなかで最北端に分布する種である。地理的変異が顕著で4亜種に分けられる。すなわち、口永良部島と宝島のエラブオオコウモリ、沖縄本島のオリイオオコウモリ、大東諸島ダイトウオオコウモリ、石垣島・西表(いりおもて)島・与那国島などのヤエヤマオオコウモリである。頸部(けいぶ)に淡黄色の輪があるのが名の由来で、4亜種を総称してエラブオオコウモリということもある。前腕長127~137ミリメートル、頭胴長202、203ミリメートル。バナナパイナップルフクギクワ果実などを食べる。

[吉行瑞子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「クビワオオコウモリ」の解説

クビワオオコウモリ

日本の南西諸島台湾フィリピンなどに生息するコウモリ。体長190~250ミリメートル、体重320~530グラムほどで、体全は黒褐色で覆われ、頚部(けいぶ)のみ淡黄色で首輪のように見えるため名付けられた。生息地の森林農地に転換されたり、猫に捕食されたりして個体数が減少しており、生息数は3000~6000頭と推定されている。国際自然保護連合(IUCN)が2017年9月14日に公表したレッドリストでは、準「絶滅危惧種」から危険度を一つ引き上げて、絶滅の危険度が3番目に高い「絶滅危惧2類」に指定された。

(2017-9-21)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

小学館の図鑑NEO[新版]動物 「クビワオオコウモリ」の解説

クビワオオコウモリ
学名:Pteropus dasymallus

種名 / クビワオオコウモリ
科名 / オオコウモリ科
日本にいる動物 / ◎
解説 / 日中は枝にぶら下がって休み、夜になると活動します。
体長 / 19~25cm
体重 / 320~550g
食物 / 果実、花のみつ、花粉、葉、昆虫など
分布 / 台湾、南西諸島
絶滅危惧種 / ☆
天然記念物 / ☆亜種ダイトウオオコウモリとエラブオオコウモリは天然記念物

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百科事典マイペディア 「クビワオオコウモリ」の意味・わかりやすい解説

クビワオオコウモリ

オオコウモリ

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世界大百科事典(旧版)内のクビワオオコウモリの言及

【エラブオオコウモリ】より

…東アジアのオオコウモリ属中最北に分布する,首に黄褐色の輪がある翼手目オオコウモリ科の哺乳類。南西諸島と台湾の火焼(かしよう)島に固有のクビワオオコウモリP.dasymallusの1亜種で,口之永良部島と宝島にのみ産する。長崎,江戸,南九州,屋久島などにおける古い記録や1954年12月の夜に鹿児島市内の家の垂木にぶら下がっているのがとらえられた記録などは迷獣に基づくものであろう。…

※「クビワオオコウモリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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