与那国(読み)よなぐに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「与那国」の意味・わかりやすい解説

与那国(町)
よなぐに

沖縄八重山郡(やえやまぐん)にある町。沖縄本島から南西へ509キロメートル、石垣島から西へ127キロメートルにある日本最西端与那国島からなり1島1町。台湾とは111キロメートルの位置にある。1914年(大正3)八重山村から分村。1947年(昭和22)町制施行。方音ドゥナン。島の東に宇良部(うらぶ)岳、西に久部良(くぶら)岳が連なり、山地周縁は琉球(りゅうきゅう)石灰岩からなる段丘。与那国空港から新石垣空港と那覇空港に定期航空路、久部良港から石垣港に定期航路がある。中山王府の属国となるまで、独立した島であったが、1637年人頭税が課せられたのちは、久部良割(ばり)(人口調整のため岩場割れ目を妊婦に跳ばせた)や人升田(トウングダ)(天水田に非常招集させ遅れた者を殺した)などの人減らしのための悲惨な伝説がある。第二次世界大戦直後は密貿易が盛んとなり、一時的に人口が急増。現在、農業はサトウキビ水稲畜産漁業は久部良を中心にカツオ・カジキ漁。世界最大級のガであるヨナグニサンや町指定天然記念物のヨナグニウマなどが生息する。また島の南東部沖合いで海底遺跡が発見され、話題をよんだ。特産品に泡盛がある。面積28.90平方キロメートル、人口1676(2020)。

[堂前亮平]

『池間栄三著『与那国の歴史』(1972・琉球新報社)』『『與那國 与那国町制施行50周年記念誌』(1999・与那国町)』


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百科事典マイペディア 「与那国」の意味・わかりやすい解説

与那国[町]【よなぐに】

沖縄県八重山列島西部,八重山郡の町。列島西端の与那国島1島1町をなす。水田が比較的多く,サトウキビ栽培も盛んである。主集落の租納(そない)はカツオ漁業の中心地で,かつお節を産する。石垣市との間に航路,空路がある。28.96km2。1657人(2010)。
→関連項目八重山列島

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「与那国」の解説

よなぐに【与那国】

沖縄の泡盛。酒名は、酒造所がある島の名をそのまま命名。割り水に地元硬水湧水を使用。伝統的な直火釜式蒸留法で造る。原料はタイ米、黒麹。アルコール度数30%、43%。蔵元の「崎元酒造所」は昭和2年(1927)創業。所在地は八重山郡与那国町字与那国。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の与那国の言及

【与那国島】より

…西方約100kmには台湾があり,晴天時には望見できる。1島で沖縄県八重山郡与那国町をなし,人口1801(1995)。面積28.52km2,周囲29.54kmの東西に長い楕円状の島で,東に宇良部(うらぶ)岳(231m),西に久部良(くぶら)岳(192m)があり,山地の周縁には琉球石灰岩からなる段丘地形が形成されている。…

※「与那国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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