クラウドファンディング(読み)くらうどふぁんでぃんぐ(英語表記)crowd funding

知恵蔵miniの解説

ある目的、志などのため不特定多数の人から資金を集める行為、またそのためのネットサービスのこと。大衆(crowd)と財政的支援(funding)を組み合わせた造語であり、ソーシャルファンディングとも呼ばれる。クラウドファンディングの実施者は、インターネットを利用して不特定多数の人々に比較的低額の資金提供を呼びかけ、必要とする金額が集まった時点でプロジェクトを実行する。米国では2008年に創設された「Kickstarter」が有名であり、12年7月3日までに6200のプロジェクトが参加、合計2億2900万ドルの資金調達に成功している。日本では「CAMPFIRE」や「READYFOR」を代表とし、映画系・ファッション系・アート系・地域活性化系など、ジャンルを特化したサイトも多数登場している。

(2012-09-03)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

知恵蔵の解説

インターネット経由で不特定多数の人々から資金調達を行い、商品開発や事業などを達成する仕組み。クラウド(crowd 群衆)とファンディング(funding 資金調達)の二つの単語を掛け合わせた造語。
通常、製品開発や事業展開などのプロジェクトを達成するには、多くの資金が必要となる。そのため、良いアイデアや技術があっても、資金不足で目的を達成できないことがある。クラウドファンディングでは、インターネットを通じて、自分のプロジェクトを公開し、出資者から資金提供を受けることができるため、自己資金がなくても、プロジェクトの遂行が可能となる。なお、多くのクラウドファンディングでは、あらかじめ調達する資金額や期間を設定し、期限までに目標金額を達成できなかった場合は、プロジェクトが無効となる「All or Nothing」方式を採用している。
クラウドファンディングには、「寄付型」、「購入型」、「投資型」などと呼ばれる三つのパターンがある。
「寄付型」では、出資者が見返りを求めず、プロジェクト遂行側は、プロジェクトの活動報告などを無償で提供する。「購入型」は、出資者が、プロジェクト達成後に完成するであろう商品やサービスなどを前払いするパターン。無事プロジェクトが達成できれば、出資者は、完成した商品やサービスの提供を受ける。「投資型」では、出資者が投資した金額に応じた配当、または株式が発行される。小額の出資から始められるため、出資者を集めやすいのが特徴だ。
クラウドファンディングサイトを運営する会社は、米国の「Indiegogo(インディーゴーゴー)」や、「Kickstarter(キックスターター)」が有名。Kickstarterでは、液晶に電子ペーパー「e-paper」を用い、バッテリーが最大7日間持つというスマートウォッチ「Pebble Time」のプロジェクトにおいて、8万人近い資金提供者が集まり、約2千万ドルの資金調達に成功した例がある。
日本国内でも、「READYFOR (レディーフォー)」や「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」等のクラウドファンディングサイトがあり、社会貢献や音楽、芸術系のプロジェクトを中心に運営展開されている。

(横田一輝 ICTディレクター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

パソコンで困ったときに開く本の解説

不特定多数の一般大衆対象に資金調達を行うことです。新しい製品やサービスの開発、映画制作や音楽活動、団体の活動など、いろいろな分野で利用されています。募集や支払いをインターネット経由で行いやすくなり、利用範囲が広がりました。海外での成功事例を受け、日本でも制度整備実際の利用が始まっています。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

英語で群衆を味するクラウド(crowd)と資金調達を意味するファンディング(funding)を組み合わせた造語。インターネットのサイトを経由して多くの人から少額の資金を集める仕組みやサービスを表す。出資に対する見返りの有無などで「寄付型」「購入型」「投資型」などに分類される。コロナ禍では客の減った商店や映画館を支援したり、医療機関にマスクを贈ったりと様々な目的で活用されている。日本には「レディーフォー」のほかにも「キャンプファイヤー」「マクアケ」など多くのサイトが存在する。

(2020-08-01 朝日新聞 夕刊 1社会)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

《crowdは大衆の意》プロジェクトのための資金を調達できない個人・団体が、ソーシャルメディアをはじめインターネット上で企画内容と必要な金額を提示し、広く支援を呼びかける手法。少額の資金提供者を多く集めることによって、目標額の達成をねらうもの。マイクロファンディングマイクロパトロン。ソーシャルファンディング。クラファン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ある目的のために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集めること。クラウド(crowd、群衆)とファンディング(funding、資金調達)をあわせた造語。略称CF。防災・災害復興、環境保護、文化遺産の保護・復旧、社会福祉の充実などの社会貢献のほか、科学・芸術・文化の振興、地域や特産品の振興、政治運動、訴訟、特定事業への投融資など幅広い目的に使われている。おもに、(1)見返りを求めない寄付型、(2)製品やサービスの提供を受ける購入型、(3)元本と利息を基にリターンを受け取る貸付(融資)型(ソーシャルレンディング)、(4)特定事業に投資し配当金を受ける投資型、の4種類がある。世界的な低金利のなか、利回りが高い貸付型が主流である。銀行や証券会社を介さず、提案者(事業主体)のよびかけで、共感した人から小口資金を機動的、効率的に低コストで集められる利点がある。一方で、アイデア流出や資金が集まらないリスクも伴う。ITと金融を融合したフィンテックの一種で、ネット上で広くお金を募るためシェアリング・エコノミーの一形態とみることもできる。CFはソーシャルファンディング(social funding)ともよばれ、政府や自治体が行う場合にはガバメントgovernmentクラウドファンディングという。
 欧米で定着した寄付行為がネットを通じて進化した形態であり、2000年代のアメリカで始まった。アメリカ大統領のオバマが選挙資金調達に利用し、イギリスでは株式投資型CFが誕生。世界銀行は世界のCF市場が2025年には最大960億ドル(約11兆円)に増え、成長著しい中国だけで500億ドル(約5.5兆円)に達すると予測している。日本では、2011年(平成23)の東日本大震災で支援金集めの手法として注目された。また改正金融商品取引法や改正不動産特定共同事業法が施行され、回収不能の可能性があるベンチャー企業などへのリスクマネーの供給手法として株式投資型や小規模不動産への投資が始まった。熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)、京都アニメーション放火事件(2019年)でも活用された。CFの仲介サイトとして、アメリカにインディーゴーゴー(Indiegogo、2008年設立)、キックスターター(Kickstarter、2009年)、中国に京東金融(JDファイナンス、2011年)、日本にはレディーフォー(READYFOR、2011年)、キャンプファイヤー(CAMPFIRE、2011年)などがあり、いずれも高めの手数料をとる。ただソーシャルレンディングに関しては、事業主体の情報開示が不徹底で、預かり金の管理不十分、利益水増し、回収不能・遅延などで行政処分を受ける例も増えている。[矢野 武]

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