クルチコフスキ(英語表記)Kruczkowski, Leon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルチコフスキ」の意味・わかりやすい解説

クルチコフスキ
Kruczkowski, Leon

[生]1900.6.28. クラクフ
[没]1962.8.1. ワルシャワ
ポーランド劇作家,小説家。早くから社会主義に共鳴し,階級史観によって定説をくつがえした歴史小説『コルディアンと百姓』 Kordian i cham (1932) は大きな成功を収めた。第2次世界大戦中ドイツ軍の捕虜となる。戦後は政治的にも活躍した。戯曲『ドイツ人』 Niemcy (49初演,50刊) ,『愛は死を越えて』 Juliusz i Ethel (54) ,『自由の最初の日』 Pierwszy dsień wolności (60) などは諸外国でも評価されている。遺稿『誠実な者たちの地獄から』 Szkice z piekła uczciwych (63) はスターリン批判に触れた問題作。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルチコフスキ」の意味・わかりやすい解説

クルチコフスキ
くるちこふすき
Leon Kruczkowski
(1900―1962)

ポーランドの小説家、劇作家。つねに左翼的な立場から社会問題に取り組んだ。第二次世界大戦中はドイツ軍に捕らわれ、戦後は文学活動の最前列にたち、文化芸術次官、作家同盟議長などを歴任した。散文の処女作は『領主賤民(せんみん)』(1932)で、現代リアリズム小説の発展に一段階を画した。戦後はおもに劇作家として活躍、ヒトラー時代の一教授の「良心」を批判した『ドイツ人』(1949)、ローゼンバーグ事件を扱った『ジュリアスとエセル』(1953)のほか、『自由の最初の日』(1960)、『総督の死』(1961)などの戯曲があり、いずれも世界的に有名になった。

[吉上昭三]

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