グリーンコンシューマー(読み)ぐりーんこんしゅーまー(その他表記)Greenconsumer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリーンコンシューマー」の意味・わかりやすい解説

グリーンコンシューマー
ぐりーんこんしゅーまー
Greenconsumer

直訳すれば「みどり消費者」で、環境に配慮した消費行動をする人のこと。通常商品より高額でも、エコマークのある商品や省エネ効率の高い商品を積極的に選択するなど、環境意識の高い消費者がこれにあたる。1988年9月、イギリスで出版された『グリーンコンシューマー・ガイドGreenconsumer Guide』(エルキントンJohn Elkington、ヘイルズJulia Hailes共著)が、スーパーチェーンでの商品の産地、製品の状況、廃棄物の処理、環境対策などを調査、その結果を5段階の星で評価し、公表した。これによって多くの消費者が環境に配慮した店舗や商品を選ぶようになっただけでなく、企業経営者の側も環境問題対策への努力を払うことにもなった。この本はヨーロッパ諸国やアジアでも翻訳されて、運動として世界に広まった。日本では、京都市内のスーパーマーケットの環境対策を調査した『かいものガイド・この店が環境にいい』(ごみ問題市民会議編集・発行)が1991年(平成3)に出版され、国内でグリーンコンシューマー活動が広まる契機となった。

 1996年2月には、環境庁(現環境省)の呼びかけで、自治体、企業、市民グループなどにより環境に配慮した商品やサービスの優先購入の普及促進を推進する「グリーン購入ネットワーク(GPN)」が結成された。2001年4月にはグリーン購入法が施行され、グリーン購入(環境物品の優先的な購入)に取り組むことが、国の機関には義務地方自治体には努力義務、事業者や国民には一般責務があると定められている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「グリーンコンシューマー」の解説

グリーン・コンシューマー

環境にやさしいライフスタイルを実践する消費者。物品の購入・消費などの各段階において、環境影響に配慮した意思決定を行う。商品・企業活動に関する環境情報をガイドブック、エコラベル、環境学習などから獲得し、商品の選択、不買運動、企業に環境配慮を要求する運動などを展開する。米国のケネディ大統領が1962年の大統領教書で定式化した消費者の権利に即していえば、グリーン・コンシューマー運動とは、環境問題に関する「知る権利、及び知らされる権利」を、環境情報の生産・伝達システムを整備することで拡大し、環境保全型の商品や企業を選ぶ権利を保障しようとするもの。環境の視点から見た商品や企業行動に関する情報を得るシステムをつくることで、消費者の選択行動を環境保全型にすることを可能にし、企業の行動をも環境に配慮したものに変えようとする働きを持つ。日本でも環境に配慮した買い物ガイドなどが作成され、運動が広がっている。

(植田和弘 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディア 「グリーンコンシューマー」の意味・わかりやすい解説

グリーン・コンシューマー

環境にやさしい消費生活や地球環境への負荷の少ないライフスタイルを求める人。欧米諸国,カナダなどではグリーン・コンシューマーが増加,グリーン・コンシューマー運動が盛んになっている。環境にやさしい商品やその販売店のリスト,環境に負荷のかからない暮らし方のヒントなどに関するガイドブックがよく売れている。エコマークもグリーン・コンシューマーを増やし,地球環境への負荷を低減させるための具体的な手法である。
→関連項目森林認証制度

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