複数のユーザーがコンピュータを利用し、互いに協調して仕事を進めることを援助するためのソフトウェアをいう。CSCW(Computer Supported Cooperative Work)と略称されることもある。従来コンピュータ、とくにパーソナルコンピュータ(パソコン)は個人の仕事を何らかの形で支援するものとして考えられ、そのためのヒューマン・インターフェースが開発された。現在ではコンピュータがネットワークに接続されることが常態になったため、健全で効率的な組織活動を支援するものとして、ネットワーク上で互いに情報交換をしながら共同作業をすることが重視され、またその共同作業を潤滑に、効果的に行えるような何らかの支援システムが要望されている。たとえば、ネットワーク上に仮想の黒板を設け、そこにめいめいが意見を書き込み、議論をまとめ上げるなどの方式が考えられ、その方式を円滑に進めるためのソフトウェアがつくられている。さらに発展したものとして、遠隔地にいる互いの顔や声が認識できるような仮想会議空間などもつくられている。しかし、人間の共同作業が本質的に内包している問題、たとえば他人に頼って無責任になりやすいなどの問題があり、それらを克服するような支援システムをつくるためには、人間の社会活動に対する深い理解が必須(ひっす)であろう。
[田村浩一郎]
電子メール、電子掲示板、スケジューラ、ワークフロー、ライブラリなどの機能を持ち、情報共有のため企業内LANで利用される。代表的なものに、ロータスノーツ・ドミノLotus Notes/Domino、エクスチェンジ・サーバExchange Server、サイボウズ Officeなどがある。専用のクライアントソフトを使うものが多かったが、現在はWebブラウザを利用するグループウェアが主流となっている。
[編集部]
『ジョアン・ウッドコック著『グループウェアとネットワーク環境』(1998・アスキー)』▽『清水則之・村瀬一郎著『グループウェア』(1995・ジャストシステム)』
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(斎藤幾郎 ライター / 西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2007年)
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