ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレーフェ」の意味・わかりやすい解説
グレーフェ
Graefe, Karl Ferdinand von
[没]1840.7.4. ハノーバー
ポーランド生れのドイツの外科医,軍医。 1810~40年,新設ベルリン大学外科の主任教授となったが,13年以降は軍医総監として従軍することが多かった。 16年ドイツで最初の口蓋縫合を行い,18年には 16世紀イタリアで行われていた造鼻術を復興し,上腕の皮膚を用いていたイタリア式を前額の皮膚を用いるインド式に修正した。また,帝王切開術を完成し,22年には腕頭動脈の結紮 (けっさつ) にも成功した。ドイツ外科手術の先駆者で,形成外科手術の父といわれ,その子,F.グレーフェとともに医学一家として知られている。
グレーフェ
Graefe, Friedrich Wilhelm Ernst Albrecht von
[没]1870.7.20. ベルリン
ドイツの眼科学者。 K.グレーフェの子。 1866年ベルリン大学教授。緑内障,虹彩炎,虹彩脈絡膜炎の治療に虹彩切除を採用したほか,斜視手術の考案,交感性眼炎の記載,脳障害に伴う失明や視力の減退は視神経炎と関係するという指摘などの業績がある。近代眼科学の創始者,眼科手術の開拓者といわれている。なお,眼球突出性甲状腺腫では,下を見る際に上眼瞼が眼球の動きについていかないが,この現象はグレーフェの症候と呼ばれている。
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