グレープフルーツ

デジタル大辞泉 「グレープフルーツ」の意味・読み・例文・類語

グレープフルーツ(grapefruit)

ザボンの一種。果実が枝にブドウのような房状につく。ふつう果皮は黄色で、多汁。米国カリフォルニアで栽培。

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精選版 日本国語大辞典 「グレープフルーツ」の意味・読み・例文・類語

グレープ‐フルーツ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] grapefruit ) ミカン科の常緑小高木。西インド諸島バルバドス島原産で、主としてアメリカ合衆国フロリダ、カリフォルニアなどで栽培される。果実は径一〇センチメートルほどで、果肉は柔らかい。さわやかな風味と苦味があり、生食やジュースに用いる。小枝に三~十余個の果実がつくさまがグレープ(ブドウ)に似ているのでこの名があるといわれる。
    1. [初出の実例]「朝食は先づグレエプフルウツを食べる」(出典:朱と緑(1936)〈片岡鉄兵〉武装解除)

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食の医学館 「グレープフルーツ」の解説

グレープフルーツ

《栄養と働き》


 西インド諸島を原産地とするグレープフルーツは、アメリカでさかんに栽培され、日本にも年間約25万tが輸入されています。
 れっきとした柑橘類(かんきつるい)ですが、ブドウのように房状になることから、グレープの名がつきました。白肉と赤肉があり、赤肉の色素はカロテンの一種のリコピンです。
○栄養成分としての働き
 グレープフルーツは温州(うんしゅう)ミカンの約5倍の重量があるだけに、含まれるビタミンCは豊富で、1個を食べれば1日の必要量の8割が摂取できるほど。さらにビタミンCの吸収をよくするフラボノイドクエン酸も多く、疲労回復や食欲増進、かぜの予防に役立ちます。ストレスに対抗する働きがあるビタミンCに加え、皮に含まれるリモネンなどの精油成分が気分を爽快にし、ストレス解消にも有効です。
 独特のにがみはナリンジンによるものですが、クエン酸やペクチンとの相乗作用により、健胃にも効果が期待されます。糖質が少ないのも特徴で、ダイエット中のビタミンC補給源として最適です。
〈血中コレステロール値を下げ、動脈硬化の改善に一役買うことが判明〉
 アメリカでの研究により、グレープフルーツは血中コレステロール値を大幅に下げることが判明しています。これはペクチン中に含まれる固有の多糖体によるものと考えられています。さらにグレープフルーツに含まれている有機酸が、悪玉コレステロールと化学的な相互作用を起こし、コレステロール沈着物をある程度取り除くのでは、とも推測されています。
 つまり動脈硬化を改善し、心臓発作などを起きにくくするのです。
○漢方的な働き
 ドロドロに煮て食べると、たんのからみがとれます。そのほか消化を助ける、口の中をさっぱりさせるなどの薬効があるとされています。
○注意すべきこと
 降圧剤などでカルシウム拮抗剤(きっこうざい)を服用している人には、グレープフルーツは禁物です。
 というのも、合わせて摂取すると、薬が効きすぎて血圧を下げすぎてしまい、めまい起立性低血圧を起こす危険があるからです。これはジュースでも同様です。

《調理のポイント》


 そのまま食べるほか、サラダゼリー、皮のシロップ煮などに利用します。皮を利用する場合は、塩でよくこすってから水洗いし、表面のワックスを十分に落とします。
 選ぶポイントは皮に張りがあって、ずっしりと重いものを。腐りやすいので、冬は室温でも大丈夫ですが、夏は冷蔵庫で保存します。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレープフルーツ」の意味・わかりやすい解説

グレープフルーツ
ぐれーぷふるーつ
grapefruit
[学] Citrus paradisi Macfad.

ミカン科(APG分類:ミカン科)の常緑小高木ないし中高木。小枝に3、4個から10余個の果実が房状でブドウのようにつくため、この名が出た。別名はポメロpomelo、ブラジルで多く用いる。1750年ころにバルバドス島で発見され、ブンタンの実生(みしょう)と考えられている。葉は大きく、広い翼葉がある。花は白色で小形、果実は扁球(へんきゅう)形で200~600グラム、果皮は滑らかで心皮は薄い。果肉は柔軟で多汁、淡い苦味と風味があり、暖地産は甘い。19世紀初期に種子でアメリカのフロリダ地方に持ち込まれ、その後カリフォルニア、テキサスなどに広まる一方、世界の諸方に伝わった。世界の柑橘(かんきつ)産業のなかでは、オレンジ、ミカン、レモン・ライム類に次いで4位を占め、生産量は907万トンに達している(2016)。主産国は中国、アメリカ、ベトナム、メキシコ、インド、南アフリカなどとなっている(2016)。日本には1915年(大正4)にアメリカから入ったが、冬季低温による落果と夏季の高温多湿による「かいよう病」などのため普及しなかった。日本の輸入量(2017)は、7万8100トン、約103億円である。

 枝がわりや珠心胚(はい)から発芽する実生変異個体が多い。品種には、果皮が淡黄色から灰緑色のマーシュシードレス、ダンカン、メイ、トライアンフ、淡紫紅色から紅色のピンクマーシュ、ルビーなどがある。ジュースに使用するほか、生食用とする。本種とタンジェリンとの雑種をタンジェロとよび、カラ、セミノールなどよい品種が多い。

[飯塚宗夫 2020年10月16日]


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改訂新版 世界大百科事典 「グレープフルーツ」の意味・わかりやすい解説

グレープフルーツ
grapefruit
Citrus paradisi Macf.

ミカン科の常緑高木。多汁でやや酸味の強い,大きさがナツミカン程度のかんきつ。さわやかな苦みがある。名は香りがブドウに似るということもあるが,多数の果実が房状に結実することに由来する。大木になりやすく,枝はやや下垂する。白色5弁の花が5月上・中旬に房状に咲き,果実も房状に鈴なりしやすい。果皮は黄色のものが多いが紅をさす品種もある。やや厚くむきにくい。果肉は柔軟多汁。肉色は品種により異なり,黄色から薄い紅色まで変異する。クエン酸を1~2%含む。ナリンギンnaringinがあり少し苦い。種子はないかあっても数個。18世紀前半に西インド諸島のバルバドスでブンタンと多胚性品種の自然雑種として生じたといわれる。フロリダへは19世紀の初めに種子で導入され,1880年代になって経済栽培が始まり,ニューヨークなどへ出荷されるようになった。現在は世界各地の温暖な地域で栽培され,生産量は年間約500万t,アメリカがそのうち半分以上を占める。フロリダ州が大産地。ほかにイスラエル,アルゼンチン,南アフリカ,キプロスが主産国。

 最初の経済品種である有核(種子あり)白肉のダンカンは1830年ころ生じた。現在の主要品種マーシュ(無核,白肉)は1860年ころ突然変異系統として発見された。初期の有核白肉品種から無核白肉,有核有色,無核有色の品種が派生している。近年は無核赤肉品種が注目されている。赤い色素はリコピンlycopeneである。生食,ジュースなどにするが,大半は冷凍濃縮果汁に加工される。二つ切りし専用ナイフで心を抜き果皮を切り離した後,砂糖をまぶしブランデーを数滴落とし冷やして食べるとおいしい。手搾りした果汁にシロップを加えてもよい。
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百科事典マイペディア 「グレープフルーツ」の意味・わかりやすい解説

グレープフルーツ

西インド諸島原産のミカン科の高木。米国では夏の果物として賞味されるが,日本では降雨が多く,病気が出て作りにくい。ブドウのように1枝に多数の果実が群がってつくのでこの名がある。果実は淡黄色,扁球形で,400〜500g,4〜6月に熟す。果肉はやわらかく多汁で,さわやかな風味がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレープフルーツ」の意味・わかりやすい解説

グレープフルーツ
Citrus paradisi; grapefruit

ミカン科の常緑高木で,園芸的に改良された種類といわれ,ザボンに近い種類である。果実は多汁でやや酸味が強く,生食,またはジュースに加工する。アメリカのフロリダ,カリフォルニア,中近東などで大規模に栽培されている。

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栄養・生化学辞典 「グレープフルーツ」の解説

グレープフルーツ

 [Citrus paradisi].ムクロジ目ミカン科ミカン属の柑橘類,ザボンの一種.

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