リコピン(読み)りこぴん(英語表記)lycopene

翻訳|lycopene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リコピン」の意味・わかりやすい解説

リコピン
りこぴん
lycopene

トマトスイカなどに多く含まれる赤色(褐赤色)をしたカロチノイド色素の一種リコペンともよぶ。カロチノイド(カロテノイド)は自然界に存在する、水には不溶で脂溶性の色素群で、活性酸素を除去して抗酸化作用を示すため、近年の健康志向のなかで機能性表示食品の成分の一つとして注目されている。一般に緑黄色野菜に多く含まれ、これらを摂取することでヒトの体内に取り込まれる。抗酸化作用の効果についてはまだ研究途上であるが、活性酸素を除去する作用による老化防止や、動脈硬化の予防、および血糖値の改善など生活習慣病の予防効果のほか、喘息(ぜんそく)症状の改善、美肌効果なども報告されている。また、血中コレステロールの酸化を抑制して血流を改善する働きや、癌(がん)の予防効果のほか、癌細胞増殖を抑制する効果も報告されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リコピン」の意味・わかりやすい解説

リコピン
lycopene

化学式 C40H50 。成熟したトマトなどに存在する一種のカロテノイド色素。普通 1kgの新鮮な成熟トマトから 0.02gの収量で得られる。深赤色針状晶。エーテル石油エーテルヘキサンにわずかに溶ける。クロロホルムベンゼンに可溶,メチルアルコール,エチルアルコールにはほとんど不溶である。

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