グローブ(英語表記)Grove, Sir William Robert

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「グローブ」の解説

グローブ
Grove, Sir William Robert

[生]1811.7.11. ウェールズスウォンジ
[]1896.8.1. ロンドン
イギリスの法律家,物理学者。オックスフォード大学,リンカーン法学院で学び,弁護士の免許を得た (1835) が,健康を害したこともあって科学研究に転じ,ロンドン・インスティチューションの物理学教授となる (1840~47) 。後年,再び司法界に地位を占め,高等民事裁判所判事をつとめた (71~87) りした。司法界引退後は科学研究に専念。分子内原子の熱解離を確証し,高温白金線上で水が水素と酸素に分解することを示した。 1839年水素-酸素燃料電池を発明し,これでアーク灯を点じた。 H.ヘルムホルツに先んじて自然力の相互転換を説いた『物理的諸力の相互連関について』 On the Correlation of Physical Forces (46) は有名である。 72年にナイトの称号を贈られた。

グローブ
Grove, Frederick Philip

[生]1871.2.14. ロシア北部
[没]1948.8.19. オンタリオ,シムコー
イギリス系カナダの小説家。父はスウェーデン人,母はスコットランド人。ヨーロッパ各地を転々としたのち,1892年トロントへ渡り,長らく農場労働者や学校教師をしながら,自然主義的手法を用いカナダ大平原を舞台にした『沼沢地開拓者』 Settlers of the Marsh (1925) ,『日々の』 Our Daily Bread (28) ,『生の』 The Yoke of Life (30) などの小説を発表。晩年に出した『製粉場の主』 The Master of the Mill (44) は,世代の相克と近代産業社会の問題に正面から取組んだ,カナダ文学屈指の野心的な大作自伝自我を探究して』 In Search of Myself (46) はカナダ総督賞を受賞した。

グローブ
Grove, Sir George

[生]1820.8.13. ロンドン
[没]1900.5.28. ロンドン
イギリスの音楽学者。有名な『グローブ音楽辞典』 Dictionary of Music and Musicians (1879~89) 初版編纂者。 1882~94年ロンドンの王立音楽院の初代院長をつとめ,82年サーの称号を授けられた。主要著書ベートーベンと9つの交響曲』 Beethoven and His Nine Symphonies (96) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

精選版 日本国語大辞典「グローブ」の解説

グローブ

〘名〙 (glove)
野球でボールを受けるのに用いる革製の手袋。→ミット。〔新式ベースボール術(1898)〕
※豊年虫(1928)〈志賀直哉〉「捕手が、グラーブを去(と)り、素手になった二塁手に直球を投げ狼狽さした」
② ボクシングに用いる革製の手袋。
※混血児ジョオヂ(1931)〈浅原六朗〉「ジョオヂの拳闘手袋(グローブ)が空中に躍ってゐた」

グローブ

〘名〙 (globe)
地球。天体。地球儀
電球をすっぽり包むガラスやプラスチック製のおおい。光をやわらげる効果がある。
※学生と読書(1938)〈河合栄治郎編〉読書と環境〈岸田日出刀〉四「電球が露出せず乳白色のグローヴの中に隠されたもので」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「グローブ」の解説

グローブ(glove)

野球で、捕手・一塁手以外の野手が使う、5指に分かれた革製の手袋。グラブ。→ミット
ボクシングで用いる革製の手袋。

グローブ(globe)

光源を包み、光を和らげるのに使われる照明器具。本来は球形のものをさす。
the globe》地球。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版「グローブ」の解説

グローブ【Frederick Philip Grove】

1879‐1948
カナダの小説家。ドイツ系。ドイツで文筆生活を送った後,1909年ごろカナダに移住,29年オンタリオ州に移るまで,マニトバ州の各地で教師生活を送る。厳しい平原地方の自然と苦闘する人間の姿を重苦しい筆致で営々と書き続けた。処女小説《沼沢地帯の入植者》(1925),野心的な大河小説《製粉工場の主》(1944)など8編の小説のほか,3編のエッセイ集や疑似自伝《自分自身を求めて》(1946)がある。【平野 敬一】

グローブ【George Grove】

1820‐1900
イギリスの土木技師,音楽学者。灯台鉄橋,鉄道建設に従事した後,ロンドンの万国博覧会(1851)の会場(クリスタルパレス)移築に際し管理者となり,1854年からそこで音楽会を主催。古典派,ロマン派作曲家を研究し,《ベートーベンと九つの交響曲》(1896)などの著書がある。1874年《音楽事典Dictionary of Music and Musicians》4巻(1879‐89)に着手。自らも〈ベートーベン〉〈シューベルト〉〈メンデルスゾーン〉のを執筆した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

巡視船

海上保安庁に所属し海上の警備と救難業務を行なう船。外洋で行動する大型で航洋性があるものを巡視船といい,港内や湾内などのかぎられた水域で行動する 100総t程度以下の小型のものを巡視艇と呼ぶ。武器として...

巡視船の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android