ケレーニイ(その他表記)Karl Kerényi

デジタル大辞泉 「ケレーニイ」の意味・読み・例文・類語

ケレーニイ(Karl Kerényi)

[1897~1973]ハンガリー生まれの神話学者。ユング影響を受け、ギリシャ神話の新解釈を行った。著「神話学入門」(ユングとの共著)、「迷宮と神話」「ギリシアの神話」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ケレーニイ」の意味・わかりやすい解説

ケレーニイ
Karl Kerényi
生没年:1897-1973

ハンガリー出身の古典神話学者。ブダペスト大学で古典文献学を修めた後,ベルリンに留学,ドイツの正統的文献学に接するが,彼の学風はむしろブルクハルト,ニーチェ,W.F.オットーなどの傍系につらなる。祖国の政治体制と妥協できず1943年にスイス移住,ここで死去。欧州各大学に客員教授として招かれたほかはフリーの立場で,ユング,T.マン,ホイジンガなどとの学問的交流を通じて実存的生の立場からの神話学を展開した。著作はごく初期の一部を除きドイツ語でなされ,邦訳には主著《ギリシアの神話》その他がある。
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百科事典マイペディア 「ケレーニイ」の意味・わかりやすい解説

ケレーニイ

ハンガリーの神話学者。ブダペスト,ベルリンの各大学に学ぶ。1943年以降スイスにあって,ヨーロッパ各地で教えた。その学風にはバッハオーフェン,ブルクハルト,ニーチェ,ユングらの影響が濃い。エラノス会議メンバーであり,T.マンやH.ヘッセとの交友も知られる。主著《ディオニュソス》《迷宮と神話》《神話と古代宗教》《ギリシア神話》。ユングとの共著《神話学入門》,ユングおよびP.ラディンとの共著《トリックスター》も多くの読者を得た。

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