ゲリボル(英語表記)Gelibolu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲリボル」の意味・わかりやすい解説

ゲリボル
Gelibolu

トルコヨーロッパ大陸部分にある港湾都市。英語名はガリポリ Gallipoli,古代ではカリポリス Callipolisと呼ばれた。イスタンブールの西南西 203km,ダーダネルス海峡の岬に位置する。ビザンチン帝国の重要な要塞であったが,1356年頃オスマン帝国がヨーロッパで最初に獲得した都市となった。イスタンブール防衛の要衝として強力な海軍基地が置かれ,またルメリアからアナトリアへの交易路上の重要な中継地でもあった。第1次世界大戦では連合軍の進攻を受け市街の大半が破壊された(→ガリポリの戦い)。ビザンチン皇帝ユスチニアヌス1世の兵器庫(6世紀),オスマン帝国のバヤジッド1世の方形城(14世紀)があり,またトラキア王(→トラキア)の墓といわれる塚がいくつか残存する。新市街は漁業イワシの缶詰製造の中心地。エディルネと道路で結ばれている。人口 2万9998(2013推計)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲリボル」の意味・わかりやすい解説

ゲリボル
げりぼる
Gelibolu

ヨーロッパ・トルコ(トラキア)の南西部、ゲリボル半島南岸、ダーダネルス海峡の東端に位置する港町。チャナッカレ県に属する。人口2万3127(2000)。英語ではガリポリGallipoliという。東はマルマラ海を隔ててイスタンブールへと通じる海上交通の要衝で、付近農産物も集散する。その起源は古代のカリポリスにさかのぼる。

[末尾至行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のゲリボルの言及

【ゲリボル半島】より

…第1次世界大戦でイスタンブール攻略を目ざす英仏連合軍とオスマン・トルコ軍が戦闘を繰り広げた古戦場として有名。半島中央部に位置する中心都市ゲリボルは,オスマン帝国時代は海軍の基地であったが,現在は漁業の盛んな町で,人口5万0772(1980)。【長場 紘】。…

※「ゲリボル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android