翻訳|Concorde
イギリスとフランスが共同で開発したSST(超音速輸送機)。当初は両国でそれぞれ別個にSSTの開発が進められていたが,開発費が莫大となること,両機に共通性が多いことから,1962年共同開発することを協定した。コンコルドは協調の意。原型機は69年3月2日初飛行,同年10月1日には超音速飛行に成功した。全長62.1m,全幅25.6m,ターボジェットエンジン4基を装備。三角翼の主翼をもち,これには前縁および後縁フラップ,スポイラーなどはいっさいなく,両翼に昇降舵と補助翼両者の働きをするエレボンを各3枚もつのみである。また大きな仰角で離着陸するため,操縦室の視野を妨げないよう,鋭くとがった機首は離着陸時には下方に折れ曲がるようになっている。なお三角主翼は縦安定の機能をもつので水平尾翼は必要なく,コンコルドでも尾翼は垂直尾翼だけである。76年1月21日,エール・フランスのパリ~リオ・デ・ジャネイロ,英国航空のロンドン~バーレーン路線に同時就航,これらはいずれも全ファーストクラスの100席で,通常の料金の2割増しである。最大巡航速度はM2.05(高度1万8300m)の高速であるが,稼働率が低く,燃料費の高騰によって両航空会社とも巨大な赤字運航となり,2006年中止となった。採算性の悪さから,結局生産は原型2機,準量産型2機,量産型16機で打ち切られた。ソ連(現ロシア)も類似のSSTツポレフTu144を開発したが,生産・運航ともに中止している。
→SST
執筆者:佐貫 亦男
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…1970年1月,国有航空機メーカーのシュド・アビアシヨンSud‐Aviationおよびノール・アビアシヨンNord‐Aviationとミサイル・メーカーSEREBが統合して設立された。〈コンコルド〉のメーカーとして有名。航空機のほか,ヘリコプター,ミサイル,宇宙船,エンジン,水中翼船,海洋調査船,航空用電子機器,船舶用機器,産業用電子機器などを開発,製造している。…
…50年代中期,ジェット輸送機の実用化とともに,SSTの研究が各国で盛んになったのも,当時としては自然な方向といえるものだった。
[開発と実用]
ほぼ似た中型SSTを考案したイギリスとフランスは62年11月協定して,シュド・BAC両社共同のコンコルドの開発を始めた。試作機は69年3月初飛行,量産機は76年1月国際線に就航した。…
…エール・フランスの特徴の一つに,航空郵便を専用機フレンドシップF27‐500型機により,国内およびヨーロッパを中心に運航していることがある。76年1月からは超音速旅客機コンコルドの運航を英国航空と同様にニューヨーク,ワシントンほかに開始した。旧フランス領の航空会社チュニス航空Tunis Air,カメルーン航空Cameroon Airlines等へ援助も行っている。…
※「コンコルド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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