ブリティッシュ・エアウェイズ(読み)ぶりてぃっしゅえあうぇいず(英語表記)British Airways PLC

共同通信ニュース用語解説 の解説

ブリティッシュ・エアウェイズ

英国の主要航空会社。日本航空と同じ航空連合「ワンワールド」に加盟し、成田ロンドン線や羽田―ロンドン線を含めて世界の70を超える国と結ぶ路線を運航する。年間利用者数は4500万人程度。抱える航空機は欧州エアバスの総2階建て超大型機A380、ボーイングジャンボ機、中型機787など。スペインのイベリア航空などとともに、2011年に発足した持ち株会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の傘下企業となっている。(共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブリティッシュ・エアウェイズ
ぶりてぃっしゅえあうぇいず
British Airways PLC

イギリスの大手航空会社。略称BA。英国航空ともいう。前身は、1924年ダイムラー航空、ハンドレ・ページ輸送、インストン航空、ブリティッシュ・マリン航空4社の合併によって成立したインペリアル航空Imperial Airways Ltd.。同社は南アフリカ、インド、オーストラリアなどに路線をもち、大陸間商業輸送では先駆的役割を果たした。1939年、インペリアル航空と、おもにヨーロッパ大陸との輸送に従事していた英国航空British Airways(1936年設立。現在のBAとは別会社)とが合併して、イギリス海外航空法に基づき、英国海外航空会社British Overseas Airways Corporation(BOAC)が成立した。他方、1946年の民間航空法で英国欧州航空会社British European Airways(BEA)が成立し、多数の国内航空会社を吸収、ヨーロッパおよびイギリス連合王国(UK)の定期航路を支配下に収めた。1946年にニューヨーク航路開設、1948年に日本、1954年にシカゴ、1957年にアメリカ西海岸にそれぞれ航路を開いた。1971年の民間航空法でBritish Airways Boardが発足、BOACとBEAの統合準備が始まり、両社は1974年統合されてブリティッシュ・エアウェイズ(BA)となり、1976年には英仏共同開発による世界初の超音速旅客機コンコルドの商業運航を開始した(同社でのコンコルド運航は2003年10月で終了)。1987年、サッチャー政権の国営事業民営化政策によってBAの株式が一般に売り出され、BAは民営化された。その後、2001年のアメリカ同時多発テロ事件で世界の旅行者が減少し、経営的に多難な時代を迎えた。2001年には2億ポンドの営業損失を計上したが、それ以降は順調に回復し、2007年度の売上げ87億5000万ポンド、営業利益8億7500万ポンド、純利益6億8000万ポンドを実現した。

 国際的な航空連合「ワン・ワールド」グループに所属し、ロンドンのヒースロー空港では第5ターミナルを拠点に就航している。2011年末時点で、400以上の路線をもち、245機を所有している。乗客3425万人、貨物78万5000トンを運び、全収入は99億8700万ポンド、税引後利益は6億7200万ポンドである。収入のなかに占める乗客収入は87.3%であり、また乗客収入の61%がヨーロッパ内の輸送によるものである。従業員数はイギリスに約3万5000人、イギリス国外に5100人である。

 日本への乗入れは1948年(昭和23)からで、ヨーロッパの航空会社でもっとも早い。BOACがそれまで運航していた香港(ホンコン)線を岩国にまで拡大し、さらに東京まで延長したもので、日本支社も同年開設された。現在、東京―ロンドン間では直行便を毎日運航している。なお、2009年11月にスペインのイベリア航空と経営統合することで基本合意し、2011年1月に共同持株会社インターナショナル・エアラインズ・グループInternational Airlines Group(IAG)が設立された。登記上の本社はスペインのマドリード、実質的な本社機能はロンドンに置かれ、収入ベースで世界第7位、ヨーロッパで第3位となる。

[湯沢 威]

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