コンソル公債(読み)コンソルコウサイ

デジタル大辞泉 「コンソル公債」の意味・読み・例文・類語

コンソル‐こうさい【コンソル公債】

consols英国で発行された永久公債。1751年に各種公債統合一元化して開始された。償還期限がなく、永久利子が支払われる仕組み。

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精選版 日本国語大辞典 「コンソル公債」の意味・読み・例文・類語

コンソル‐こうさい【コンソル公債】

  1. 〘 名詞 〙 ( コンソルは[英語] consols ) イギリス政府発行の公債。一七五一年三分利付きで発行され、一八八二年二・七五利付きとなる。一九二九年以降は事実上永久公債に化している。

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改訂新版 世界大百科事典 「コンソル公債」の意味・わかりやすい解説

コンソル公債 (コンソルこうさい)

イギリスの代表的な国債で,1751年に既存9公債を統合し借り換え(〈国債〉の項参照)て成立したconsolidated annuities(略称Consols)が起源である。この旧コンソルは3%利付きであったが,1882年に1840年代発行の2種の公債と統合され,2.75%(1903年からは2.5%)利付きの新コンソル(別称ゴッシェン公債Goschens)となった。それは1923年以降議会承認償還可能とされていたが,政府にとっては市価が安いため額面償還の利点はなく,低利率のため借換えの必要もなかったから,事実上典型的な永久公債となって存続した。26-32年には4%利付きコンソルも発行されている。コンソル公債の価格はバンク・レートにつれて変動し,イギリスの国家信用や経済状態の指標とされてきた。第1次大戦前までそれはイギリス公債の大きな部分を構成したが,両大戦期における各種公債の大増発でその比率は減退し,61年には国債総額の3%となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンソル公債」の意味・わかりやすい解説

コンソル公債
コンソルこうさい
Consolidated Annuities

1751年に始ったイギリスの国債の一種であり,永久公債の典型としてあげられる。第1次世界大戦以前,コンソル公債はイギリスにおける国債の大部分を占めた。利率は年3%であったが,1888年にそれまでのコンソル公債は確定年金と統合されて借換えられ,利率も初めの 14年間は 2.75%,その後は 2.5%へ引下げられた。第1次世界大戦および第2次世界大戦を経てイギリスの国債は戦時公債などにより種類も発行額も膨張し,コンソル公債は多くの国債のなかのほんの一種にすぎなくなり,国債発行残高に占めるシェアも低下して 1954年には1%となった。 23年以降コンソル公債は議会の承認によりいつでも償還できることになっているが,実際は償還も借換えも行われていない。

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百科事典マイペディア 「コンソル公債」の意味・わかりやすい解説

コンソル公債【コンソルこうさい】

永久公債

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世界大百科事典(旧版)内のコンソル公債の言及

【ギルト・エッジド証券】より

…ふつうは大蔵省証券(TB)を含まない。1850年代に創設されたコンソル公債が代表であったが,第1次大戦前には国債のほとんどがコンソルで占められたためである。ギルト・エッジはかつて優良投資対象の代名詞であったが,近年は市場利子率の高騰やインフレーションの進展などに伴って,額面を割ることが多く,この意味では優良証券とはいいがたくなっている。…

※「コンソル公債」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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