コンソート(英語表記)consort

翻訳|consort

精選版 日本国語大辞典 「コンソート」の意味・読み・例文・類語

コンソート

〘名〙 (consort) 一六~一七世紀前半のヨーロッパ音楽器楽合奏重唱を指す。特に同種楽器組み合わせをホール‐コンソート、異種楽器によるものをミクスト‐コンソート、または、ブロークン‐コンソートと呼ぶ。

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デジタル大辞泉 「コンソート」の意味・読み・例文・類語

コンソート(consort)

16~17世紀の英国で流行した小さな合奏団。また、そのための作品。同系統の楽器だけのものと、二系統以上の楽器の混成のものとがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「コンソート」の意味・わかりやすい解説

コンソート
consort

16世紀末から17世紀にかけてイギリス宮廷や家庭で盛んに行われた器楽合奏,およびそのための音楽。4~6人で演奏される室内楽であるが,編成はさまざまで,合唱の伴奏をつとめることもあった。コンソートの語源は,声と楽器の単なるアンサンブルであったイタリアの初期コンチェルトにあると考えられるが,17世紀には異種楽器の合奏体をさすか,あるいはそうした合奏のための曲集の標題に見られる。今日では同属楽器(ビオル属など)によるもの(whole consort)と異種楽器(ビオルのほか,バイオリンやリュート木管など)の混成によるもの(broken consort)という分類が一般的であるが,当時の用語法は一貫しておらずいささか不明瞭である。コンソートはエリザベス朝やジェームズ1世の時代に最盛期を迎えたが,劇場音楽におけるフランス風のオーケストラ様式が台頭してきた世紀末には,しだいにすたれていった。主な曲集の作曲家には,トマス・モーリー(1599),フィリプ・ロセター(1609),ウィリアム・ロース,トマス・シンプソン(1621)らがいる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンソート」の意味・わかりやすい解説

コンソート
consort

16~17世紀のイギリスで器楽の室内アンサンブルおよびそのために書かれた音楽。同属楽器だけで編成されたコンソートはホール・コンソート,種々の楽器で編成された場合にはブロークン・コンソートと呼ばれた。

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世界大百科事典(旧版)内のコンソートの言及

【ビオラ・ダ・ガンバ】より

…イタリアではこの時期になるとガンバの使用は衰え,ほとんど製作されていない。 16~17世紀の音楽生活に,大小のガンバによる合奏(イギリスでは〈コンソートconsort〉といった。ダウランドの舞曲集《七つの涙》など)は重要な役割を演じた。…

【ビオラ・ダ・ガンバ】より

…イタリアではこの時期になるとガンバの使用は衰え,ほとんど製作されていない。 16~17世紀の音楽生活に,大小のガンバによる合奏(イギリスでは〈コンソートconsort〉といった。ダウランドの舞曲集《七つの涙》など)は重要な役割を演じた。…

※「コンソート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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