ゴジカ(その他表記)Pentapetes phoenicea L.

改訂新版 世界大百科事典 「ゴジカ」の意味・わかりやすい解説

ゴジカ
Pentapetes phoenicea L.

東南アジア原産のアオギリ科の1属1種の一年草。日本には観賞用として平安時代にすでに栽培されていた。高さ50~120cm。葉は互生し,葉身は長さ4~12cm,幅0.5~4cmの線形ないし披針形で,縁に鋸歯がある。夏から秋にかけて葉腋ようえき)から出る1,2個の花梗の先に,直径約3cmの赤色の花がやや下向きに咲く。午時花は漢名で,花が正午ごろ開き,翌朝にはしぼんでしまうことに基づく。本来はインドからインドシナジャワセレベスなどモンスーン地帯の湿地水田に生育する植物で,日本では野生化しない。江戸時代には秋の七草に数えられることもあったほどよく栽培されたが,近年はほとんどみられなくなった。葉は時に茶として飲料にされる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴジカ」の意味・わかりやすい解説

ゴジカ
ごじか / 午時花
[学] Pentapetes phoenicea L.

アオギリ科(APG分類:アオイ科)の一年草。ミャンマービルマ)、インドの原産。正午ごろ花を開き、翌日の早朝にはしぼんで落ちるので午時花の名がついた。茎は直立し、分枝して高さ0.6~1.5メートルになる。葉は長披針(ひしん)形。花は夏、葉腋(ようえき)に2~3個が横か下向きにつき、包葉、萼(がく)、花弁ともに5枚。花は美しく平安時代から栽培されたといわれ、江戸時代には秋の七草に数えられた。栽培は実生(みしょう)により、5月初めから下旬種子を播(ま)き、日がよく当たる所で育てる。挿芽で殖やすこともできる。

[坂梨一郎 2020年4月17日]


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