ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンチョ3世(大王)」の意味・わかりやすい解説
サンチョ3世(大王)
サンチョさんせい[だいおう]
Sancho III Garcés, el Mayor
[没]1035.10.18.
ナバラ (パンプロナ) 王 (在位 1005~35) 。サンチョ・ガルセス・エル・マヨルとも呼ばれる。ガルシア・サンチェス2世 (ガルシア3世) の子。政治的手腕に優れ,軍事力によらず,各地の内部の動きを利用してナバラ王国の発展をはかった。まず,ソブラルベやリバゴルサなどを奪取し,次いでバルセロナ伯となり,またガスコーニュから統治権を奪った。カスティリアのサンチョ・ガルシア伯の娘と結婚して 1028年カスティリアを併合,次いでレオンの首都を占領し,1034年そこで戴冠した。このようにしてスペインの全キリスト教国にナバラ王国の権力が及び大国となったが,王はこれを4分割して4人の息子に残した。また,アラゴン王国を創設し,カスティリアの地位を高めて王国とした。しかし,カスティリアの領地の一部をナバラ領に加え,これを長男のガルシア・サンチェス3世 (ガルシア4世) に与えたため,紛争の原因となった。
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